メサイア~蛍色~ (ページ14)

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Firefly2 ページ14

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高野に沙耶を呼んで来いと言われたので、あいつのデスクに向かっていた。
あいつに頼まれたものを渡して会話をして以来、沙耶を妙に意識してしまう。
あいつと沙耶が恋人だってことはどうでもいいはずなのに、あいつのことなんてどうでもいいはずなのに。
妙に胸に引っかかった。

ましてや。

ましてやだ。

「やっと返してくれた。」って笑う顔に盛大に照れるって何なんだ！！
可愛い！！可愛いってなんだ俺！！
「ああ～～～～～～」
わけがわからなくなってきて、思わず頭を抱える。
こんなことは初めてだ。
三栖さんにもこんなこと思わなかったのに。
ふと自分のデスクの上に置かれていた資料に目が止まった。
自分の母親と、堤について書かれた資料。
我に帰った。
今はこんなことに悩まされてる場合じゃないんだ。
自分と、あいつのことをもっと調べないと。
そのためにここを抜ける覚悟さえ出来ている。
三栖さんから離れることだって。
「おい、沙耶。」
俺のデスクの前で突っ伏している沙耶に声をかける。
返事はない。
「おいってば。」
「…じさん。」
うわごとのように、沙耶がなにかつぶやく。
「は？」
「れいじ、さ…行かないで…」
あいつの名前が聞こえた時胸がなにかに握り締められるような感覚を覚えた。
息ができないような感覚。