メサイア~蛍色~ (ページ13)

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Firefly1 ページ13

夢を見ていた気がする。
「光織くん、いいかい。君は彼らについていくんだ。」
あの日の記憶が流れ出す。
「嶺二さんは…？嶺二さんはどうするんですか？」
壊れ物を触るかのように僕は、彼の腕に触れる。
「大丈夫だ。君を必ず迎えに行くから。」
「僕達と一緒に行けばいいじゃないですか…？」
「私は犯罪者。君たちとはいけない。」
「やめてください、そんな最期みたいな…」
彼の腕の中に僕はすっぽりと収まる。
ぬくもりが、溶けるように広がる。
「いや…」
「君を迎えに行ったら、小さな家で二人で暮らそう。
何にも邪魔されず、2人きりで。」
「れ、じさ…」
「緑の広がる丘の上で、一緒に。」
「一緒に…」
彼のぬくもりが離れ、姿が遠ざかっていく。
「れいじ、さ…」
ぬくもりがじんわりと残る体に力が入らなくなって、その場にへたり込む。
「一緒に、行きましょう、よ…」
手を伸ばしても届かない。
どこからか高野達の声がする。
「ねぇ、ねぇ…」
いやだ。
「嶺二さああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！」

夢の世界から帰ってきた僕の目に広がったのは、周の顔だった。