メサイア~許されることのない償い~

上手くいかない関係3 ページ8

私が、メサイアになった理由。
それは淮斗への、償い。
決して許されるわけのない、償い。
学生時代の私達３人、いや４人は至って普通だった。
私と、護と、淮斗。それに淮斗の弟の春斗。
幼なじみだった私達は登下校も一緒だったくらいに仲がよかった。
強いて言うなら、私が春斗に友情とは違う、別の感情を抱いていたくらいで、それ以外は本当に普通だった。
あんな日が来るまでは。
○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊
海棠さん達の部屋から戻ってきた私は、
自分のベットに寝転がりながら昔のことをなんとなく思い出していた。
「ずっと、一緒だったからなぁ…」
「何が？」
目の前に突然、間宮君の顔が現れる。
「ぎゃあ！」
思わずびっくりして起き上がり、ゴツンとおでこに鈍い痛みが走る。
「〜っ！！」
「ご、ごめん！いたっ。」
２人しておでこに手を当てる。
かなり痛いぞこれ。
「わ、私こそごめんね！
何か用？」
「あ、用って訳じゃないんだけど…
独り言、聞こえたから。」
「ああ、そういうことね。」
「ずっと一緒だったって、どういうことかなぁって。」
間宮君が私の隣に座る。
ギィ、とベットの軋む音。
「淮斗と護と私って結構長い間一緒にいたの。
幼なじみっていうのもあったんだけどさ。
それで今こういう風に離れてしまったから、淮斗、予想以上に辛いのかもしれないのかなーって。
私はそんなことないんだけど…」
「そっか…」
間宮君が少し下を向く。
間宮君だって、いきなり知らない相手とメサイアを組まされて、びっくりしているのかもしれない。
なのに淮斗があんな態度とっているから、
彼だって辛いはずなのに…
「でもね、私は淮斗と間宮君が仲良くなって欲しいと思ってる。せっかくメサイアとして組んだのに
このままじゃだめだと思うし、それに…」
「ん？」
「…何してんの？」

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