book 6 ページ6
「向こうで食事をさせてやれ。」
「はっ!」
「手錠を忘れるな!」
彼もここの仲間になるのだろうか。
そうなるとすれば、きっとイザワカズオはマークスのようになってしまう。
“だけど、運命は変えられるぞ。”
「ジェイミー、こっちへ来い。」
マークスに呼ばれ、私は本を椅子に置いて立ち上がる。
「二人の後を追え。もしイザワが不審な動きをしたらその時は。」
運命は変えられない。
例えイザワカズオが変えてくれるとしても、私はこの男に決められた運命を変えることなど出来ないのだ。
「殺せ。」
「………分かった。」
何人もの返り血を浴びた拳銃をぎゅっと握り、私は小さく言った。
マークスに言われた通り、私は拳銃を構え彼らの後を追った。
会話こそは聞こえないが、どうやら指定された場所ではなくトイレに向かっているようで、流石に男のトイレに入るのは駄目だろうと思い、近くの場所で待機していた。
私はまた人を殺さねばならないのか。
もうここに来てから何人殺したのだろう、もう覚えていない。
初めは小太りの男、最近殺したのは細身の人間。
途中から数えるのをやめるくらい、私は人を殺してきた。
私の願いとは裏腹に、マークスは私に人を殺す道を選ばせる。
そして、今日も私はそれに逆らえない。
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きさひろ(プロフ) - 魚占さん» ありがとうございます.*・゚(*º∀º*).゚・*. (2017年5月25日 20時) (レス) id: 8601f45511 (このIDを非表示/違反報告)
魚占 - 次回作も楽しみにしてます (2017年5月25日 20時) (レス) id: cf3d1ff74b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きさひろ | 作成日時:2017年5月17日 18時