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book 5 ページ5

こんなこと、誰にも言うつもり無かったのに。
言ったところで馬鹿にされるとばかり思っていたのに。

「…いいんじゃないか、それで。」

「……………」

「だけど、運命は変えられるぞ。」

「えっ。」

そう言ったイザワカズオを見た時。

「ジェイミー。」

まるで夢から醒めるように、私は現実に引き戻された。


震える体で、名前の呼ばれた方を見る。


「駄目だろう、命令していないのに。」

傷のせいで細くなった顔がゆっくりと笑う。

「ご、めんなさい、でも。」

「でも?」

だめだ、と思った。

頬に走る激痛と、意識の歪む感覚がまるで他人事のように感じられ、そのまま私は地面に倒れ込んだ。

「言い訳は言うなとあれ程言っただろう?座っていろ。」

机に置いていた本も私と同じように地面に捨てられ、悲しい音を立てる。

「……ごめんなさい。」

今、イザワカズオはどんな顔をしているのだろうか。

夢を見ていた私が現実に戻されて、嘲笑っているだろうか。

私は痛む頬を抑えながら、本を拾い椅子に腰掛ける。

座った後も顔を上げる気にはなれず、ずっと手の甲を見つめていた。


その間、誰かのタバコの臭いが部屋中に広がり、何かをポツポツと打つ音が響いていた。

「これで君も晴れて我々の仲間だ。」

そのマークスの言葉で私はふと顔を上げる。
マークスは何やら紙を隣の人間に渡し、イザワカズオをチラリと一瞥していた。

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きさひろ(プロフ) - 魚占さん» ありがとうございます.*・゚(*º∀º*).゚・*. (2017年5月25日 20時) (レス) id: 8601f45511 (このIDを非表示/違反報告)
魚占 - 次回作も楽しみにしてます (2017年5月25日 20時) (レス) id: cf3d1ff74b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きさひろ | 作成日時:2017年5月17日 18時

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