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熱を出た話。 2 ページ22

熱いし、フラフラするしどうなっているのだろうか。

「あっ、ジェイミー。」

みんながいる部屋に行くと、ウスイが私に気づいて声を出す。

相変わらず寂しそうだ。

「おはよう、カミナガは?」

「おはよう。朝からどっか行った。」

「そう。」

あれ、ウスイってあんなにホワホワしてたっけ。

顔の輪郭が良く分からない。

「着替えておいで、その格好じゃ寒い。」

「うん。」

私は頷き、フラフラしながらまたベッドの部屋へと戻る。

部屋になんとか辿り着き、着替えようとするが、思うように体が動かない。

「あれ。」

立っていることが辛くなって地面に座り込む。

熱さが増している。

さっきまで感じなかった身体のだるさが全身を包んでいるような感覚が襲ってきた。

「あ、れ…?」

私はそのまま床にへたり込む。
ああ、これもしかして。

「病気…。」

だとしてもここで寝っ転がっていい理由じゃない。
私は何とか身体を起こし、自分の額を触る。
思ったより熱い。
でも、耐えれないほどじゃない。

「とりあえず、着替えよう。」




病気というのは不便だ。
着替えるのに随分時間がかかってしまった。
ウスイに少し心配されたが、大丈夫で何とか乗り切ることが出来たので、まぁいいだろう。
今日も特にすることはないので、ボンヤリと椅子に座りながら窓にもたれかかる。


「私、今日の夜居ないからね。波多野も神永も居ないと思う。」

「分かった。」

お昼になり、フクモトが出かける前に作って置いてくれたご飯を食べながら、ウスイと会話する。
ご飯がうまく口を通らない。
気のせいかさっきより体が熱い。
「ジェイミー、顔赤い。」

「大丈夫。」

「本当に?」

「うん、ごちそうさまでした。」

私はご飯を半分残し、そそくさと片付けを始める。

「もういいの?」

「あんまりお腹すいてない。」

「珍しい。」

「ただいま。」

私がお皿を持って洗面台に行こうとすると、部屋にフクモトの声が響く。
帰ってきたみたいだ。

「おかえり。」

「ああ、不審者は入ってこなかったか?」

「そんなの入ってきてない。」

「なら良かった。」

ウスイとフクモトがいつもの会話を繰り広げてるのを聞きながら、ゴミ箱にご飯を捨てる。
フクモト、ごめんね。
これも病気のせいだから。

「ジェイミー。」

フクモトが私の名を呼ぶのが聞こえる。

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きさひろ(プロフ) - 魚占さん» ありがとうございます.*・゚(*º∀º*).゚・*. (2017年5月25日 20時) (レス) id: 8601f45511 (このIDを非表示/違反報告)
魚占 - 次回作も楽しみにしてます (2017年5月25日 20時) (レス) id: cf3d1ff74b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きさひろ | 作成日時:2017年5月17日 18時

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