book ページ1
私はジェイミー。
スラム街に生まれ、マークスという男に拾われた。
私はその男の元で、用済みの他国のスパイを殺す仕事をしている。
趣味は絵ばかりの本を読む事、好きなものも嫌いなものもない。
髪型はいつも三つ編みで、マークスから支給されたポンチョを羽織り、中にはワイシャツ、あとスカートを身につけている。
「ジェイミー。」
いつも通り本を読んでいると、この機関の人間である男が声をかけてくる。
私は本から顔を離し、男の顔を見上げた。
「またその本を読んでいるのかい?」
「うん。」
「他のは持ってないもんなぁ。」
「うん、これしかない。」
「飽きないかい?」
「うん。ねぇ、これはなんて読むの?」
私は手に持った本を男に向け、読み方の分からない文字を指さして見せる。
「これ?これは空って読むんだよ。」
「そら。」
「そう、ジェイミーだってよく見てるだろ?」
「……そらは、絵で見た記憶が多い、かもしれない。」
「あっ…」
男がしまった、という顔をするのが分かった。
私は男に言われたことを気にしていない。
確かに絵で見た方が多いが、本物の方が余程綺麗だろうと期待できるからだ。
「ジェイミー、あの」
「ジェイミー。」
男の言葉を遮って、誰かが私の名を呼ぶ。
男の後ろに立っている、頬に随分ひどい傷を負った年老いた男。
この男こそ、私をここに連れてきた張本人のマークスである。
32人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きさひろ(プロフ) - 魚占さん» ありがとうございます.*・゚(*º∀º*).゚・*. (2017年5月25日 20時) (レス) id: 8601f45511 (このIDを非表示/違反報告)
魚占 - 次回作も楽しみにしてます (2017年5月25日 20時) (レス) id: cf3d1ff74b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きさひろ | 作成日時:2017年5月17日 18時