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dream *inaさんリクエスト ページ22

目が覚めると、私は何も無い白い空間に一人立っていた。

「ここは……」

おかしい、私は先程まで家の椅子で寝ていた筈なのに。

誰かに攫われる宛もないし、こんな所来たこともない。

それに。

「この格好、何?」

私は普段から着物を着用している。

なのに今は白いワイシャツと黒いスカートに身を包んでいた。

おかしい。

「誰か、いないの。」

そう呼ぶ声は反響するばかりで、私にしか届かない。

「誰か。」

「どうしました、お嬢さん。」

突然誰かに声を掛けられ、後ろを振り向くとそこには。

「とう、さん…?」

そこに居たのは、若い頃の父さんだった。

黒髪で、今とは違うラフな格好。

私の記憶の中にある父そのものなのだ。

「父さん、なの…?」

「父さん?貴方は面白いことを言う。」

そう言って父さんは乾いた笑いを浮かべる。

この人は、父さんではない?

見た目も声も話し方もそのままなのに、この人は父さんではない?

「貴方は…」

「結城と申します。」

名前まで同じなんて、狐につままれたような気分だ。

「貴女のお名前は?」

「紫苑…いや、碓氷。」

「碓氷さん、素敵なお名前ですね。」

そう言うと父さんそっくりの人はゆっくり私の手を取った。

「えっ。」

突然の事に私は小さく声を上げる。

「貴女とどこかでお会いしたことは?」

「毎日会ってる。」

「どうりで。」

父にそっくりの彼はあまり見たことのない微笑みを浮かべると今度は強引に腕を掴み、そのまま胸に引き寄せた。

「何するの。」

「胸に閉じ込めて、逃げないようにしてるのです。」

「私は逃げない、家族だから。」

「随分と大胆ですね。」

父さんに口説かれているような気分だ。

もし若い時の父さんと、今の私が出会っていたらこの様な感じになっていたのだろうか。

「大胆も何も、貴方は私の父。」

「面白い冗談ですね。」

「冗談じゃない。」

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きさひろ(プロフ) - inaさん» リクエストありがとうございます…!遅くなるかもしれませんが今のお話が終わったら書きたいと思います! (2016年8月29日 22時) (レス) id: a27f79ed81 (このIDを非表示/違反報告)
ina(プロフ) - リクエストで若中佐との恋愛話とD機関が吸血設定が読みたいです…!!いつも楽しみに読ませてもらってます!これからも次回の作品など楽しみにしてます! (2016年8月29日 21時) (レス) id: 6adabf3002 (このIDを非表示/違反報告)
サンタ - リクエスト答えてくださってありがとうございます!きさひろさんの作品好きです!これからもがんばってください!碓氷が尊い (2016年8月23日 22時) (レス) id: a382114b2a (このIDを非表示/違反報告)
きさひろ(プロフ) - サンタさん» あああありがとうございます…!前作にもコメントしてくださって…!本当にありがとうございます!警察パロゆっくり書いていきますね…! (2016年8月21日 23時) (レス) id: a27f79ed81 (このIDを非表示/違反報告)
サンタ - 三好との絡みが好きです!警察パロもみてみたいです。 (2016年8月21日 22時) (レス) id: a382114b2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きさひろ | 作成日時:2016年8月17日 23時

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