【ジョーカー・ゲーム】綻びの紫苑

Ｄ課！12 ページ16

慣れないフリフリのメイド服。

思いのほか短いスカート丈。

そして。

「きゃー！碓氷にゃんツインテール似合うにゃーん！」

「……ありがとう、にゃん。」

絶対することなんて無いだろうと思っていた高いツインテールと猫耳。

くるくるに巻かれた己の髪を鏡で確認すると、思いっきりため息をつきたくなった。


こんな姿、三好に見られたらと思うと。


「そろそろお店が開店する時間だから、碓氷にゃんは私と一緒に行動してもらうにゃん。」

「うん。…じゃなくて分かったにゃん。」


既に重い足をゆっくりと動かし、ヒールを鳴らしながら店内へと向かうことにした。


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「にゃんにゃんカフェへようこそ！」

「……にゃん。」

口をわなわなと震わせ、言葉を失う佐久間。

私の格好を見て笑いをこらえる神永。

そして、私を見て固まる三好。


今すぐこの場から立ち去りたいという感情が爆発しかけていた。

「な、何なんだここは！？」

「ご主人様は3名様かにゃん？」

「そうだにゃ〜。」

「神永！？」

「すいません、きららさん、お腹が」

「逃げちゃダメにゃん♡」

ダッシュで逃げようとするも、吉良加奈子に襟元を引っ張られ逃げる事は出来ない。

なにか小声でヒソヒソと話す神永と佐久間を少し睨みながら見ていると、神永がゆっくりとこちらを見た。

「きらら達がお席までご案内しちゃいますにゃん！」

そう言いながら吉良加奈子は神永達を席まで誘導する。

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