【ジョーカー・ゲーム】綻びの紫苑

Ｄ課！7 ページ11

「……うげっ。」

私は思わず顔を顰める。

その手紙に書かれた内容というものが、これまたポエムのような、過去に残していたら消し去りたいものランキング1位を飾りそうなレベルのものであった。

犯人は、これが警察に読まれると思わなかったのだろうか。

「あー何何？“君を見ているだけで、僕の心はランランランデブー。”」

「うわっ。」

「急にどうしたの？波多野。」

「この手紙に書いてあんだろ！？俺の頭がおかしいみたいに言うんじゃねぇよ！あと碓氷は露骨に嫌な顔するな！」

「僕の彼女の嫌がることしないでくれる？」

「それは犯人に言ってくれ！」

「おい、これは一通目でまだ…って彼女？」

佐久間が言葉を止めたのと同時に、ポケットに入っていた携帯が震える。

“ランランランデブーとは一体ｗｗｗ”

もしかしなくても、小田切だった。


私から離れた席の小田切が激しく咳き込むほど、波多野のランランランデブーは面白かったようだ。

「ちょ、ちょっと待ってくれ。彼女とは…」

「話が脱線するから後で。
早くして。」

「あ、ああ…手紙はこれまで二十通以上も送られてきている。
毎回ポエムのような内容だが、彼女自身、最近は固定曲も増えつつありそのせいか、犯人からの手紙も過激なものになっているようだ。
そして昨日届いたものは、ついに誘拐をほのめかす内容だった。」

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