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PLAYBOY!2 ページ2

私は嬉しさのあまり、恐る恐るその柔らかいであろう頭をそっと撫でる。

思っていたより柔らかかった。

「うさぎさん…!」

「あっちにもっと可愛いお友達がいるよっ!」

「行く。」

私はうさぎさんの小さな手を持ち、指さした方へと走り出す。

うさぎさんが指さしたのは、食堂だ。

「食堂に、うさぎさんのお友達がいるの?」

「うんっ!きっと碓氷ちゃんなら喜んでくれると思うんだ!」

うさぎさんの言葉に耳を傾けながら、食堂の中に入る。

するとそこには、可愛いお友達ではなく何故か、田崎と神永が立っていた。

「…うさぎさんのお友達?」

「残念、うさぎさんのお友達はこっちかな。」

「え。」

そう言うと田崎は後ろから何かを取り出し、私の前に差し出した。

「に、にゃんこだ…!」

「好きなんでしょ?猫。」

田崎が差し出したのは、首に赤いリボンを巻いた可愛いにゃんこのぬいぐるみだった。

私はそれを手に取ると、その愛らしい顔をじーっと見つめる。

「でも、何で私がにゃんこ好きだって…」

「俺が、福本から聞いたんだ。」

後ろから声が聞こえ、そちらを見ると先程のうさぎさんを抱えた甘利が笑う。

「うさぎさん。」

「あっ、欲しい?」

「うん。」

「はい。」

甘利からうさぎさんを引き取り、顔を見上げる。

福本にそんなこと、言った覚えはないのだが。

「少し前、女が喜ぶような可愛い菓子をやったらしくて。
そしたらすごい表情が明るくなったんだと、んでその中でも一番猫を見てた時が一番明るくなったって言ってたんだ。」

「流石福本だな。」

神永が感心したように頷くと、私の元につかつかと歩み寄ってくる。

「ちょっとは元気になったか?」

「へ。」

「いや、最近元気なかったから。」

「ああ。」

私は手に持った二つの可愛いぬいぐるみを見る。


先程に比べたら、心の中は少し明るく感じた。

「うん。」

「おう、なら成功だな。」

そう言って神永は笑い、私の頭を乱暴に撫でる。

全ての溝が埋まったわけでは無かったが、この2匹と三人のおかげで少しは。

「ありがとう。」

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きさひろ(プロフ) - inaさん» リクエストありがとうございます…!遅くなるかもしれませんが今のお話が終わったら書きたいと思います! (2016年8月29日 22時) (レス) id: a27f79ed81 (このIDを非表示/違反報告)
ina(プロフ) - リクエストで若中佐との恋愛話とD機関が吸血設定が読みたいです…!!いつも楽しみに読ませてもらってます!これからも次回の作品など楽しみにしてます! (2016年8月29日 21時) (レス) id: 6adabf3002 (このIDを非表示/違反報告)
サンタ - リクエスト答えてくださってありがとうございます!きさひろさんの作品好きです!これからもがんばってください!碓氷が尊い (2016年8月23日 22時) (レス) id: a382114b2a (このIDを非表示/違反報告)
きさひろ(プロフ) - サンタさん» あああありがとうございます…!前作にもコメントしてくださって…!本当にありがとうございます!警察パロゆっくり書いていきますね…! (2016年8月21日 23時) (レス) id: a27f79ed81 (このIDを非表示/違反報告)
サンタ - 三好との絡みが好きです!警察パロもみてみたいです。 (2016年8月21日 22時) (レス) id: a382114b2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きさひろ | 作成日時:2016年8月17日 23時

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