出会い ページ3
｢ベキリーブルーガーネット､おまえに弟ができた｡｣
｢はぁ…？その後ろのやつですかぁ？｣
そう後ろの太陽のように眩しい色の宝石を指差す｡少し睨み付けると、こちらに気付いたのかびくりとして、すぐに先生の後ろに隠れた｡それに少し腹が立っていた｡
｢あ、あの…｣
｢なに〜…？｣
｢ぼ、くは…ファイヤー…オパ､､ルで、す｡よ…ろしく｣
｢…ふ〜ん｡よろしく｣
片言で発音のしっかりしない言葉で自己紹介をするファイヤーオパール｡まだ幼いのはわかっていたが､おれは少しその子を邪魔だと思ってしまった｡
｢らっだぁ､おまえその子と組んだらどうや？｣
いきなり後ろから肩を叩かれ､イエローサファイアのばどきょーにそう言われた｡真っ先に思ったのは､おれが他の子と組めるわけない､ということだ｡
｢はぁ？やだよ､おれ生まれてから一度も他の子と組んだことないし…ひとりがいい…｣
｢まぁまぁ､一回だけでもええから…｣
｢え､あ、」
そうずっと話していると、ファイヤーオパールはじっとこちらを見て気まずそうにしていた｡それを見兼ねたばどきょーは話を終わらそうととんでもないことを言い出した｡
｢らっだぁが組んでくれるから！じゃ､後よろしくな！らっだぁ！」
｢え！？は？ちょ…｣
止める間も無くばどきょーは立ち去っていってしまった｡まだこちらを見るファイヤーオパールに視線をやると、なぜかもう吹っ切れてしまった。
｢…じゃ、明日から組も？今日はいろいろ教えてあげるから｡｣
｢あ、え、はい！｣
｢じゃあ､来て｡｣
返事をするファイヤーオパールの手を握って､外に出る｡
ほんとに､ほんとに少しだけ、強く握ろうとおもったが､割れてしまったら､という不安がよぎり寸前でやめた｡
そう無意識に走ってるうちに､目的の場所に着いた｡
｢ここ､は？｣
｢間の原だよ〜､今日はここで仕事を覚えてね〜｣
｢はい！｣
｢とは言ってもさ…今日は月人でなさそうだし､ゆっくりしててもいいよ〜｣
そう言いながらおれは草原に寝っ転がる｡このまま寝てしまおうかと思ったら､突然ファイヤーオパールがおれの袖を引っ張りながら空を指差した｡
｢あぇれ…黒点が｡｣
｢ウソ〜ん…黄昏時なのに〜…｣
立ち上がり､鞘から剣を抜く｡ファイヤーオパールを後ろに下がらせ､地面を踏み締め空へと飛んだ｡
｢ブル､ガーネ､ットさん！｣
｢まってて！！大丈夫だから！！｣
そう伝えながら雲に飛び乗り､月人を斬る｡あっという間に月人は粉になり､消えてしまった｡
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作者名：匿名 | 作成日時：2022年12月18日 18時
