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なぜだか分からない現象に首を傾げているとゴォンと学園内に響くような大きな音が鳴った。
｢わぁああ！？」
｢あぁ､これは先生が壁にめり込んだ音だね｣
冬眠室の外へ出て､暫く歩いていると柱に豪快に頭をぶつけて寝てる先生がいた。
｢この時も布を被せます。｣
｢…なんで？｣
｢なんとなく？｣
｢…｣
思わず唖然としてしまう。結構クロノアさんには適当なところがあるんだなと思う。
｢それじゃあ､次は雪かきでもしようか｣
｢雪かき…ですか？｣
｢屋根と学園の周りだね。すぐ積もるから､定期的にやらないと学園が埋まっちゃうかも｣
｢え？そんなに？｣
｢うん。スコップとかは外にあるから、行こう｣
｢はーい｣
先頭を歩くクロノアさんの後を追うように行った。確かに医務室にいる時とか、窓の少し半分くらいまで積もっていた気がする。
｢よし、じゃあまずは屋根からやろうか｣
そう言って柱を器用に登り、クロノアさんはあっという間に屋根まで行ってしまった。
柱を触ってみると意外とツルツルで、掴むところがない…
ほんとに登れるのだろうか。
そう思っているとクロノアさんが上から声をかけてきてくれた。
｢ぺいんと！飛び乗れたりしない？｣
｢ちょっとやってみまーす！｣
助走をつけるために少しだけ後ろに退がり、勢いよく走り出し地面を強く蹴る。
月人と戦ってる影響もあってか体はふわりと跳び､簡単に屋根に乗れた。
｢よかったー､下にいたら危ないからよかったよ｣
｢もし下にいたら…？｣
｢雪の下敷きでやばいかもね〜｣
｢うわぁ…｣
屋根の雪を下ろしながらそう話す。クロノアさんはたまにおっかないことを言うので､少し身震いがしてしまう。
雪下ろしは地上の雪かきよりは雪がある程度落ちてくれるので少し楽だけど、たまに落ちそうになるので流氷割りの次に怖い仕事かもしれない。
｢ふぅ…ある程度終わったかな？｣
｢はぁ…ふぅ…疲れた…｣
｢お疲れ様､休んでていいよ。流氷とかは自分がやるから｣
｢あ、ありがとうございます…｣
クロノアさんは斧を担いで外へ出てった。
俺はぼーっとした気持ちで医務室のベンチに座って休憩をとる。そうしていると先生が来た｡
先生は俺の前まで来て、話しはじめた。
「ファイヤーオパール､調子は大丈夫か」
「あ、はい！大丈夫…です」
「そうか､あまり無理はするな｡お前みたいなのは稀だ。疲れがあるなら休ませてもらう様にしなさい｡」
「はい…」
先生はそれだけ言い残して去っていった｡
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作者名：匿名 | 作成日時：2022年12月18日 18時
