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「最近ぼーっとすること多いね、ぺいんと」
「わぁ?!クロノアさん?!」
「そんなに驚く?」
「いきなり後ろから声かけられたらびっくりしますよ!」
「ごめーん、気を付けるよ。それより手を治さないと」
「はーい…」
クロノアさんはそのまま木箆に糊を乗せ、俺の手首の断面に塗り始めた。器用に塗り進め、そのまま手をくっつける。あっという間に左手が治ってしまった、あとは右手も治してもらうだけだ。
「あ、ぺいんとってさ、今更だけど水大丈夫だっけ?」
「確か長時間はダメだった気がします…潜るときはみんなと一緒で耐塩樹脂とか塗れば大丈夫ですけど、やっぱり水は避けた方がいいです。」
「そう…じゃあ次は学園内の仕事でもしようか?」
「え?」
いきなりのことで少し驚く。まだ流氷係の仕事は知らないことだらけだが、やはり学園内の仕事も冬担当の流氷係と先生がやっているのだろう。
「まぁ仕事といっても雑用?っぽいけどね〜、流氷を割るよりはまだマシだと思うよ」
「はぁ、ほんと、ですか…?」
「ホントホント、大変だけどね」
そう話しているうちにカチ、と残りの破片がくっつく音がし、右手も治っていた。
「よし、早速行こうか?」
「はい!行きましょう!」
「じゃあ、冬眠室に行こうか?」
「え?はい」
意外なところへ行くものだな、と思った。でもなぜ冬眠室に?考えている暇はない、さっさと歩いていくクロノアさんの後を追って行った。
暫く歩いていると、冬眠室の前についた。クロノアさんは立ち止まり、こちらへと振り返った。
「冬眠室では他の子が寝ぼけて立ち回ってないかとか、ちゃんと寝てるかを見て回るんだよ」
「へぇ〜…でもぶつかったら危ないんじゃ?」
「そうだね、強く当たると普通に割れちゃうよ。だから学園内も大変なんだよね〜…」
「なるほど?」
普通に納得できる理由だった。俺もクロノアさんも低硬度の方だから確かに大変…だなと思った。
ふとクロノアさんの後ろを見ると、ゆらゆらと歩きながら寝てる?子がいた。
「あの、クロノアさん。早速寝ぼけてるのがいるんですけど…」
「あぁ、ばどきょーさんね。あの子はこうやって…」
クロノアさんは冬眠室の中に入り、いつの間にか持っていた布を徐に上から被せた。
すると、ばどきょーさんはペタンと静かに倒れ、再び眠り始めた。
「布を被せると寝るんだよね」
「なんで?!」
「よくわかんない」
「えぇ…?」
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切ります
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作者名:匿名 | 作成日時:2022年12月18日 18時