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そう説明してクロノアさんは走っていった。カッ、カッ、とヒールが鳴る音がしている。よくみると先の細いヒールが流氷に穴を開けていた。山のような流氷の、ちょうど麓付近のところで彼は立ち止まり、持っていた斧を穴目掛けて振り下ろした。すると流氷は見事に砕け、以前よりも確かに細かくなっていた。
「ぺいんともやる?」
「いや、いいです…」
この日の昼はクロノアさんの仕事の見学だけで終わってしまった。けど、正直一番辛かったと思う。

夕方の、ちょうど雲が暗くなった頃に学校へ帰った。
こんなに辛かったのに、全然眠たくない、疲れは感じているけど、眠れなかった。
学校の外のベンチで座っていると、クロノアさんが来た。
「眠れないのかい?」
「はい…そうなんです…」
「そっかぁ…なんで寝れないと思う?」
「なんで…?ぁ、今年は、嫌なことがあった、後悔したことも…」
「それは、どんなこと?」
「らっだぁの腕が、取られて…俺のせいで…」
「怒られたかい?」
「いや、怒られなかった…怒られなかったのが、悔しくて寝れない…」
「そう。ならさ、頑張れる?」
「え?」
クロノアさんは新品っぽい斧を差し出し、そう言った。
俺はその斧を持った、だが流氷を割るためもあってかそれは自分が持ってる剣よりもずっと重かった。正直、振れるかどうかも怪しかった。
「うぇ…⁈お、重…」
「え、あ、重かった?」
「いや、大丈夫、です…頑張りますから、クロノアさんの仕事、手伝わせてください!」
「ありがとう、ぺいんと。じゃ、明日からよろしくね。」
「はい!」
そう返事をするとクロノアさんは穏やかに微笑んだ。
その姿はどこか懐かしい感じがして、親近感もあった。

そのままベンチに腰掛け、一晩を過ごした。

仕事→←.



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作者名:匿名 | 作成日時:2022年12月18日 18時

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