黄色のあの子 ページ1
明るくて、太陽みたいな、宝石の子。
いつも笑顔で、周りを明るくなるするあの子。
月人にも怯まず、勇敢に戦うあの子。
でも無茶しちゃって、簡単に砕けちゃう、ファイヤーオパールの子は、いつも優しくて、温かかった。
ぺいんとって、呼んでたっけ。
「ーーーー!」
「どぅわぁ!?」
「わぁあ!?うるさ!割れそうだわ!」
「ご、ごめん…」
いつの間にか寝ていたようだ。あたりを見渡すと、保健室?で、首元と腕が光って眩しい。
「らっだぁ、外で寝てたでしょ?俺が1人で見回りしてる時に、月人に襲われちゃってたの。」
「え、ぺいんと、月人はどうしたんだよ。」
「俺が倒した、先生呼ぶ暇もなかったし…」
視界がぼやけて見えなかったが、よく見るとぺいんとは腕が割れている。断面が光を屈折して、眩しい。
「おれはいいから、先ぺんちゃんが治しなよ。」
「いい、らっだぁの方がひどいし。」
そういいながら片手で糊を塗るぺいんと。
おれはため息を少しついて、また枕に頭を乗せる。保健室の白くて高い天井を見ながら、ただ一つ疑問に思ったことがあった。
「おれは、なんで寝てたんだ?」
「疲労らしいよ。最近月人が出やすかったし、らっだぁ体力そんなないし、あんまり寝てなかったし…」
「フン、まぁ最近頑張ってだからなぁ〜?休みも欲しいよなぁ〜?」
「明日は一日中雨だから、月人は来ないって。」
それを聞き、おれは顔を上げた。嬉しかった、一日でも月人が来ないのは、こんなに嬉しいことだったのか。
左手を握りしめ、左腕でガッツポーズを取る。それくらい嬉しいことだった。
そう思っていると、いつの間にか白粉が塗られ、治っていた
「治ったよ。俺は腕治したらもう寝るから、らっだぁは先戻ってなよ」
「いや、いい。おれ動けないし。」
「ふーん…まぁいいけど…」
そういいながらぺいんとは自分の腕をくっつけ、白粉を塗る。西日に照らされた髪が眩しくて、思わず目を半開きにする。疲れた体には優しくない光だった。
「じゃあ、おやすみ。らっだぁ。」
「え?あ、おやすみ…」
運んでもらえなかった…残念に思いながらも眠気が勝ち、重たい瞼をゆっくりと閉じた。
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作者名:匿名 | 作成日時:2022年12月18日 18時