推薦組の実力 ページ10
Aと轟は、共に建物の方に向かった。
「さっきは見事だったね」
「あぁ…」
「広範囲制圧にすごく向いて……」
その時、Aは躓き、転びそうになる。そんなAを轟は腕を掴んで支えた。
「大丈夫か？」
「ごめん。少し躓いた…」
「気を付けろよ」
「うん」
こんなやり取りを経て、2人は建物に着き、各々の場所へ向かった。
そんな中、他の生徒達はどちらが勝利するかの予想合戦を行っていた。
「やっぱり、轟じゃね？さっきすごかったし」
そう予想するのは切島だ。
轟は、先ほどの対決で圧勝してみせた。それを見れば妥当な予想だ。
「しかし、一ノ瀬さんの個性の詳細は分かっておりませんわ。『幻想空間』という異空間の能力のようですが、その能力でどのようなことが出来るのか分かりません。轟さんも、あれが全力だとは思えませんし…。難しいですわね…」
一方、慎重な予想をするのは百。
「え、お前一ノ瀬の個性知ってんの？」
「個性把握テストの後に教えてもらいましたわ」
「私も教えてもらったよ。確かに詳細は分からないけど、幻想ってつくからには普通の異空間じゃないよね」
お茶子も、Aの実力の不透明さを感じていた。
しかし、実力は不透明なのは、Aだけではない。
上鳴は、轟の能力の底知れなさを指摘した。
「轟、どれほど個性使いこなせるんだろな。さっきの時点で凄かったけど」
皆、推薦入学者2人の戦いに興味津々だ。
「そろそろ始まるぞ！」
飯田の号令に、生徒達は一斉にモニターに集中した。
オールマイトの宣言により、対決がスタートした。
───────────────────────────────────
Aは、懐に拳銃とナイフを忍ばせ、息を潜めていた。
建物内に潜入しての任務は、当然経験がある。なので、かなりこちらにアドバンテージがあった。
そろそろ行動を始めようかと思った時、突如氷が現れた。
轟の個性によるもの。しかし、Aはそれを異空間に移動することで逃れた。
しばらくして、異空間から出る。
「さっきはこれで強行突破出来たから、今回もって思ったのだろうけれど…」
Aは、そう簡単に対処できる相手ではない。
『負けて後から舐められるのも嫌だし、少し本気出そうかな』
『コードネーム【楽園】──響き輝く時間にしましょう』
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雷鴉ロキ．N - 待ってるよおおおおおおおおお！ (10月21日 10時) (
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作者名：ありさ | 作成日時：2023年8月9日 0時
