転生スパイ少女はヒーローになる【スパイ教室×ヒロアカ】 (ページ7)

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夜明けの涙ページ7

『ねぇ、ヴィンド。』

　『…なんだ？』

　『もうちょっとビックスくんの意見にも耳を貸すべきだと思うんだけれど？』

　『…連携は不要だ』

　『またそうやって…。私達はチームでしょう？』

　『…』

　『ヴィンドなりに鳳を大事に思ってるのは分かってる。だけど…』

　『うるさい』

　『っ！！』

　『何度言ったら分かる。連携は不要で…』

　『…あのさぁ！』

　『…！！』

　『ヴィンドは人の気持ちに無頓着すぎる！ビックスくんが鳳の現状を心配している気持ちにも、キュールちゃんがあなた達の衝突に気を揉んでいるのも！私の気持ちにも！』

　『お前の気持ち…？』

　『そうだよ！私は…』

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　『…夢か』

　早朝。目を覚ましたAは、また昔の夢を見ていたことに、ため息をついていた。

　『引きずりすぎかなぁ…』

　起き上がり、目元の涙をぬぐう。この涙の理由は考えないようにした。

　いい加減切り替えなければならないのは分かっている。もうアンジュではなく一ノ瀬Aなのだから。

　手早く準備を済ませたAは、雄英高校に向かった。

　雄英高校に入って分かったことだが、ヒーロー科といえども、授業はわりと普通らしい。午前は国語や英語などの一般科目だが、教師の癖が強いことを除けば極めて普通だ。その教師の癖の強さも、Aには気にならない。中学の教師もかなり癖が強かったので。

　そんな午前の授業を終えると、午後はヒーロー基礎学。

　「わーたーしーがー！！普通にドアから来た！」

　現れたのは、オールマイト。

　「オールマイトだ……！すげぇや、ほんとに先生やってるんだな」

　「銀時代のコスチュームだ！画風違いすぎて鳥肌が……！」

　思い思いの反応を見せる生徒達を前に、オールマイトは、今回戦闘訓練を行うことを説明した。

　そして…

　「入学前に送ってもらった個性届けと要望に沿ってあつらえた…。戦闘服！」

　「「「おぉぉぉぉぉ！」」」

　一斉に雄叫びが起こった。

　「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ！」

　その言葉と共に、生徒達はそれぞれ着替え、グラウンドを目指した

　「自覚するのだ！！！今日から自分は…ヒーローなんだと！」