転生スパイ少女はヒーローになる【スパイ教室×ヒロアカ】 (ページ6)

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世界は… ページ6

相澤の残酷な宣告に、生徒達は動揺を隠せない。理不尽すぎるといった声も聞こえる。

　しかし、相澤は冷たく告げた。

　「日本は理不尽にまみれている。そういう理不尽を覆していくのがヒーロー。」
　
　その言葉は、確かな説得力を持っていた。

　Aも、静かに心の中で頷いていた。

　世界は痛みに満ちている。
　
　だからこそ、鳳は…

　「放課後マックで談笑したかったらお生憎。これから3年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。Puls Ultraさ。全力で乗り越えてこい。」

　そんな言葉と共に、テストが開始された。

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　それから、緑谷出久に関するちょっとしたトラブルはあったものの、おおむね順調に試験は行わた。

　Aの順位は7位。戦闘向きではない能力を持つ者としては、そこそこ優秀な順位だ。
　
　試験後、女子達が集まって会話していた。

　「ねぇ、Aちゃんの個性って瞬間移動なの！？」

　「えっとね…」

　お茶子のキラキラした目に、Aは思わず後ずさった。

　Aの個性は『幻想空間』。異空間を生み出す能力だ。そのため、走る系統の種目ではその異空間を経由してゴールしていた。しかし、端から見れば瞬間移動に見えるのだろう。

　『瞬間移動ではないよ。もっと別のやつ』

　「それでしたら、どんな個性ですの？私も瞬間移動に見えましたが」

　『異空間の形成みたいな。その空間を経由してゴールまで行ったんです』

　空間内での効果は伏せて明かす。

　「へぇ！すごい」

　「初めて見る個性だ！」

　「私も初めて聞きましたわ…」

　珍しい個性を持つAに興味津々なお茶子、三奈、百。

　そんな彼女らに適当に相槌を打ちながら思った。

……やっぱり灯や鳳が恋しい────────