転生スパイ少女はヒーローになる【スパイ教室×ヒロアカ】 (ページ5)

今日:8 hit、昨日:26 hit、合計:2,344 hit

非情ページ5

突然の見知らぬ男性の登場に、生徒達は困惑を隠せなかった。
　
　(…誰？)

　Aも、寝袋に入ったよく分からない男性に訝しげな視線を向けた。

　「静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠くね」
　
　男性は、小中学生のころよく言われがちなセリフを放つ。

　「担任の相澤消太だ。よろしくね」

　(…教師？)

　Aは、どうしても目の前の不清潔な男性が教師だとは思えなかった。
　
　そんなことを思われているとは知らず、相澤は短く指示を出した。

　「早速だが、体操服着てグラウンド出ろ」

───────────────────────────────────

　「「「「個性把握テスト！？」」」」

　グラウンドに出て、相澤から説明を受けた生徒達は思わず絶叫した。

　「入学式は！？ガイダンスは！？」

　「ヒーローになるならそんな悠長な行事に出る時間はないよ」

　抗議の声も一刀両断する相澤。

　『あ、あの』

　遠慮がちにあがる手。Aだ。

　『入学式の後にやるという考えはなかったのでしょうか…？』

　Aの発言に、相澤は無言でAを睨んだ。

　『…』

　「爆轟、お前中学の時ソフトボール投げ何mだった」

　「67m」

　(67m…？)
　
　化け物じみた数字だ。

　「じゃあ、個性使ってやってみろ」

　相澤の指示に、爆轟は「死ね」という掛け声と共にボールを投げた。

　(…ん？)

　おおよそ、ソフトボール投げで発せられる掛け声ではない。

　Aは思考を放棄。手違いで部屋が爆破されたり、サッカー中に乱闘が始まる灯や鳳のメンバーのせいで分かりづらいが、雄英生徒もかなり癖があるらしい。

　そして、出た記録は705.2m。

　ツッコミどころはあったものの、生徒達はその光景に色めき立った。「おもしろそう」という言葉もある。

　そんな生徒達に、相澤は釘を刺した。

　「『おもしろそう』か。お前らはヒーローになるための3年間そんな腹積もりで過ごす気なのか」

　生徒達の間に緊張が走る。

　「よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し除籍処分としよう。生徒の如何は先生の自由」

　

　

　「ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」