転生スパイ少女はヒーローになる【スパイ教室×ヒロアカ】 (ページ3)

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転生後ページ3

Aが転生してから、すでに15年近くが経過していた。

　現在、Aは中学3年生。日本で生活している。

　(日本での生活にもだいぶ慣れてきたな…)

　学校で給食を食べながら、そんなことをしみじみと思うA。

　何しろ、前世はディン共和国生まれなのだ。今世では、今まで馴染みのなかった日本に生まれたことに驚きがなかったといえば嘘になる。しかし、現在ではかなり日本の言語や文化にも慣れていた。

　(クラスメイトもいい人達だし…)

　前世では、スパイ養成学校に通っていたため、普通の学校に通っていた期間はそう長くない。そのため、普通のクラスメイトと接することもあまりなかったのだ。

　Aは、今世での生活もかなり気に入っている。

　(今世は、かなり青春ラブコメって感じだ…。ヒロインポジションではないけれど…)

　そんなことを考えていると、同じ班の川野陸が話しかけてきた。
　
　「Aってどこの高校に行く決まったのか？」

　『んー、雄英の推薦受けた』

　「…え？」
　
　その言葉に、倫也をはじめとした班員はしばし固まった。

　「えっと、本気で言ってる？」

　『うん。まだ結果は来てないけれどね…』

　あと1週間くらいで来るかなぁ。

　そんなことを思いながら、Aは騒ぎ立てる班員を遠い目で眺めていた。

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　「今年の推薦入試、1人ダントツの成績を叩き出した者がいたのさ」

　雄英高校では、先日行われた推薦入試の話し合いが行われた。

　「一ノ瀬Aという子さ。もちろん入学させたい。しかし、他にも、その他の者に比べて優秀な成績を叩き出した者が4人いる。その中で1人落とすというのは、あまりしたくないのさ」

　そう話すのは校長の根津。

　「だから、今年の推薦入学者は5人にしたいのさ」

　その提案に、異論はなかった。

　

　一ノ瀬A。雄英高校合格。