転生スパイ少女はヒーローになる【スパイ教室×ヒロアカ】 (ページ11)

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Aは、核が置かれた部屋に突入し、煙幕を放った。

　視界が遮られた轟を狙い、訓練用ナイフを振るうが、間一髪で避けられる。

　「氷から逃れたのか…」

　轟はそう呟くが、Aは同じ推薦入学者。あれで決着がつけばそれにこしたことはないが、避けられることを想定していないわけではない。焦りはなかった。

　2人はさほど広くない部屋で対峙している。先ほどのような大規模な攻撃は出来ない。

　そう判断した轟は、Aに向かって駆け出した。

　Aはゴム弾を発砲するが、轟の方が早かった。

　轟は、Aの腹を思い切り蹴り飛ばす。

　『…っ！』

　背中を壁に打ち付け、思わず呻いた。

　その隙を見逃さず、轟は瞬時に床を凍らせた。

　Aは、体を氷に固定され、身動きが取れない。

　轟は、テープを手にAに近づいた。

　そんな中、Aは焦りもくやしさもなく、ただただ冷たい瞳で轟を見据えていた。

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　モニター前では、生徒達が轟の勝利を確信していた。

　「やっぱり轟か～。すげぇな！」

　「うん…」

　「でもAちゃんすごいよ！私達すぐ負けたし！」

　「そうだな…」

　そんな中、ただ1人、百だけが轟の勝利を疑問視していた。

　(何、あの目は…)

　まだ策があるのだろうか。

　そう考えた百は、ある可能性にたどり着いた。

　「…っ！まだですわっ！！」
　
　「え？」

　透が間の抜けた声をあげた。

　「…まだです。一ノ瀬さんは、まだ勝負を捨てていない…」

　「どういう事だ？」

　飯田が、そう問いかける。

　「一ノ瀬さんは最初から想定していたんです。武力で勝てないことを。だから、あらかじめ仕掛けを施していた。おそらく…」

　その後に続いた言葉に皆は驚き、そして、百の観察眼に脱帽した。

　これに気づけたのは、優れた実力と頭脳を持つ百だから。

　A、轟、百。推薦入学者の実力は伊達ではない。

　

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　『人殺しって、反省すると思います？』

　「…は？」

　Aの逆転が開始する。