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次の日出勤すると、何故かヴィクトル・ニキフォロフがいた。
ネット上にアップされた勝生君の「離れずにそばにいて」がヴィクトル・ニキフォロさんの目に留まり、勝生君のコーチをするため、日本に来たらしい。
昨日はそのまま家に帰って寝ちゃってたから、ネットなんて見てなかった。
画面の向こう側からでも見れない。
だってあの演技は優子ちゃんに向けられたものだから。
彼女でもないくせに、嫉妬深いこと。
「そういえばA。もしかしてスケートとか……新体操とか、バレエとかやってる？」
「スケートはやってないけど、新体操ならやってたかな」
「やっぱり！ 体つきでそうだと思った。足の甲が発達してるし、それに大会でも見たことあったしね」
因みにヴィクトルとはロシア語で話している。
勝生君にロシアの選手がすごい！
と言われてからロシア語を猛勉強したのでペラペラとは言えないけど、ある程度なら会話できる。
新体操の大会でも、ロシア人の人とは話す機会が多かったし、それもあってロシア語が話せるようになった。
「やってた、ってことはもうやめたってこと？」
「団体の選抜試験に落っこってからはもうやる気が失せちゃって」
「……本当にそれだけ？」
「内緒！」
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