18 (健side) ページ20
その日の朝、俺はもう習慣となっている美月と登校するために、家の前まで迎えに行った
いつもの時間にドアが開き、出てきた美月の顔色はものすごく悪かった
健「おはよー!って⋯美月ちゃん大丈夫⋯!?」
貴「はい⋯大丈夫です⋯。昨日の夜、少し辛くて眠れなかったので⋯」
そう言って苦笑いをした美月
健「無理するなよ⋯休んだ方がいいんじゃない?」
貴「大丈夫⋯心配ありがとうございます。行きましょう?」
今日はいつもよりも儚げな笑顔を浮かべていた
(嫌な予感がする⋯)
支えながら学校に着き、その後は特に変わったことも無く一日が過ぎた
わけではなかった⋯
掃除を終わらせ、帰り支度を済ませて美月のクラスに入ると、美月は倒れていた
健「っ⋯⋯おい⋯!美月ちゃん!!」
直ぐに駆け寄り、抱き上げるとかなり辛そうにしており意識がない
(ただでさえ今日は朝から顔色も悪く、体調が悪そうだったのに⋯⋯⋯)
俺はすぐに美月の主治医に連絡した。
すぐに来てくれるそうだ
周りをよく見ると美月のカバンがなかった
いつもなら発作の薬はカバンの中と、スカートのポケットの中に入っているはず
だが、カバンはもちろん、スカートのポケットの中に入っている薬のケースすらなくなっていた
その在処は外の花壇の上
カバンの中身、薬のケースの中身をぶちまけられていた
そしてどこからか笑い声が聞こえた
(は?おいおい⋯ふざけんなよ⋯⋯これはいじめじゃ済まされないだろ。命に関わってんだぞ⋯)
ア「っ⋯⋯夜風さん、柴崎くん⋯!」
アリサが教室に焦ったように入ってきた
ア「これ、どういうこと⋯!?」
健「いじめ。美月ちゃん、たぶん発作起こしたんだよ。でも、カバンも薬ケースも外にぶん投げられてるから⋯薬飲めずに倒れたんだと思う。主治医には連絡して、今来てくれるらしいから、俺が付き添って病院行くよ。」
ア「わかったわ⋯。荷物は私がやっておく。」
健「サンキューアリサちゃん」
そうして主治医の車が着き、俺は美月と一緒に病院へ行った
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作者名:りんご飴 | 作成日時:2019年6月6日 23時