11 (健side) ページ13
あの子は鞄からポーチを出し、たくさんの薬を出していた
(これって⋯⋯まさか⋯)
そう思っていると、水がなく困っている
(まずいじゃん⋯⋯そこの自販機で買ってこないと⋯!)
俺の体はすぐに動いた
健「少し待ってて!俺買ってくるから!」
そう言い残し、俺は急いで自販機で水を買って戻った
あの子の顔色はかなり悪く、先程よりも苦しそうに辛そうにしていた
俺はペットボトルのキャップを開けて渡してやると、あの子はすぐに受け取って薬を飲んでいた
(病気⋯⋯持ってんのかな⋯)
薬を飲んでもなお苦しそうにし続けるあの子の背を、俺は優しく撫で続けた
(こんなに体細いのか⋯それに小さい⋯⋯)
いつも遠くから見ていた頃は思わなかったが、今近い距離で見て、触れていると、かなり細いのがわかる
(まさかいなかった理由って⋯⋯)
そんなことを考えていると、あの子は落ち着いてきたようで、ゆっくりと呼吸をしていた
健「大丈夫⋯?落ち着いた⋯?」
そう声をかけると、あの子はこちらを振り向き
貴「ありがとうございました⋯⋯とても助かりました⋯」
綺麗な落ち着いた声、そしてまだ少し顔色が悪いも優しげな表情で礼を言ってきた
健「よかった⋯⋯⋯でも、帰りとか心配だし、俺、送っていくよ⋯一緒に帰らない?」
そう言うとあの子は、余程さっきが辛かったのか
貴「すみません⋯⋯お言葉に甘えさせていただきます」
と言った
俺は優しく微笑み
健「じゃ、帰ろっか」
と言い、あの子を支えながら立たせた
少しフラついていたので、優しく支えながらあの子に合わせてゆっくりと歩き出した
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作者名:りんご飴 | 作成日時:2019年6月6日 23時