22[zm side] ページ22
戦争が始まって、最前線を突っ走って行ったA。
kn「あいつ早すぎひん？」
sha「ホンマに…」
この2人がこういうのも無理はない。
瞬きをして目を再び開けた時、さっきまであった"少女"の姿はもうなかった。
zm「こんなとこでグズグズしてられへん！行くで！！」
kn「…！おう！」
そこから3人で手分けをしつつ残党がいないか確認しながら進んでいくも、ほとんど居ない。
最初は走って進んでいたが、ここまで来るといないのが普通になってしまう。
そこにあるのは、喉元や腹を掻っ切られた兵だったもの。
sha「俺らやることないやん…」
zm「確かAの後方支援ってショッピ君やったよな？」
kn「確かせやったと思う。」
zm「それなら尚更残らんわな。」
ただ、戦争はこれで終わりでは無い。
相手のトップの首を取って、始めて終わりを告げるもの。
zm「それならあれやな、相手の城に行くか！」
kn「そっちならまだ敵もおるかもやしな。」
sha「そうと決まればはよ行くで！！」
走って城へ向かう。
でもそこには、道中と同じような景色が広がっているだけだった。
壁、床、酷ければ天井にまで飛び散る赤黒い液体。
それが何なのか。考えなくても俺達にはわかった。
kn「どないする？またここから手分けするか？」
zm「せやな。何かあれば随時連絡。どうや？」
sha「ええと思うで！さて、ちっとは暴れられるんかな？」
zm「俺も少しは暴れたいわー…」
kn「ここまでなんもしとらんからな！期待しようや！！」
じゃあ、さっき言った通りに、と言って手分けをして城を歩く。
どれくらい歩いたか、感覚的には5分くらいか。
ある部屋から、Aの声が聞こえてきた。
しばらく耳を済まして聞いていれば、彼女はいきなり声を張りげ、怒りを含んだ声でこう言った。
「ふざけるな！！誰のせいであそこまで悩んで、追い込まれて！！自ら命を経って行ったと思っているんだ！！！全部、全部お前のせいなんだよ！！！」
話の流れからするに、父親と母親が目の前の奴のせいで自ら命を経った…
そしてことが始まる前、Aは「自分に近い存在だから」と言った。
…身内か。
ぐるぐると思考を巡らせている間にも話は進み、Aの口からある言葉が発された。
「あぁそうだ！！どんなにこの体がダメになってもお前の首は私が絶対に取ってやる！！死 の間際になってもな！！！」
それは絶対にさせん。
シッマとシャオロンに連絡を入れて、俺はAのいる部屋に入っていった。
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作者名：真白 | 作成日時：2020年3月10日 10時
