＿〃 ページ38
*【Nozomu said】
人生で初めてかもしらん。
こんなにも緊張して、不安になって
命知らずの行動をとったのは。
「え、、」
少しの間をおいて、聞こえた
彼女のアホっぽい声。
彼女を離して一歩下がると、放心した様な表情を浮かべて固まる小泉さんがみえた。
小「、、小泉さん？」
「、、、」
小「小泉さーん？、、小泉」
どこ見ているか分からない彼女。
ボーッとしていて、でも、瞬きはしていて
小「こーいーずーみーー」
視界に入るのはシゲだけで、近くの俺には興味なさそうな彼女に
好意を抱くことすら
アホやってわかってたのに＿＿
でも、しゃーないやん
気づいちゃったんやもん。
気づいてしもうたら、もう、引き下がれへんやん
小「おーいっ、A」
「……っえ？」
小「え？」
「あ、洋服か。」
小「は？」
「今、とってくる」
無心にリビングの隣の部屋に向かった小泉さん。
内開きのドアノブに手をかけ、何度か引いて、
俺に気まづく微笑み、押しかえて一室に入っていった。
そんな、動揺する彼女の行動に頬が緩んだ。
＿かわええ
という感情と
＿よかった
と、チャンスが無いわけではないという安心。
「ど、どうぞ」
紙袋に入れられた洋服。
受け取る時には、 調子よくなっとって
いつになく、本気になっていた。
小「ありがとう」
「ん。リビング、、行こっか」
小「待って、A」
「っんえ？」
リビングのドアを開けようとした彼女の手を止めた。
「い、、今、、名前」
小「さっきも呼んだけど。つか、名前呼びで、そんな反応してくれるんや。」
「べっ、つに。いつもと違うからビックリしただけで」
小「んじゃ、慣れないとあかんな。」
「へ、、」
いつになく、動揺しとって
混乱してる彼女に嬉しく、ニヤけそうになる。
小「くそっ、どんどん好きになってく」
「え」
小「ぁ、、いや。」
落ち着かへんのは、自分も同じで
言葉にすると気持ちだけやなくて、頭でも、完全に感情を受け入れてしまう。
小「へ、部屋。入らへんの？」
「はっ入ります」
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作者名：のんれもん
| 作成日時：2021年2月24日 19時
