_右手は使用可能 ページ21
*
あの日から1週間もしない内に桐山さんの所に移り住んだ。
思っていたよりも荷物が増えていた。というのも、こっちに来た時は地元中学の制服と鞄とリュックのみで済んだから。
「ユキさん、ネイルって難しい?」
ユキ「そうやねぇ。なに、やってみたい?」
「、、ユキさんの手、すごく可愛いから、興味はあるかな」
ユキ「ウチのはジェルやけど、、せやなぁ。マニキュアなら落とすのも簡単やし、やったげよっか」
桐山さんは元々していた仕事を生かして、小さなレストラン経営をしている。
古民家レストランで、昔から名の知れたという桐山さんの味を味わいたいと常連さん中心に賑わっている。
その古民家レストランの2階は私とたー君の部屋と、桐山さんの部屋があり、生活スペースになっている。
たー君の面倒はユキさんがみていて、私もバイトを続けられている。
そうやって、ユキさんと話していくうちに、彼女がお姉ちゃんのように私の中で変化していた。
ユキ「ピンクなんか可愛ええんやない?あ、夏やし、オレンジもええなぁ」
「この、薄いピンク、可愛い」
ユキ「ほな、これしよか」
少し匂いがキツかったけれど
水で荒れていた手と、今現在の目の前の手では天地の差で
ユキ「似合うやん!これ、夏祭りの日にも塗ったげる」
「え」
ユキ「友達と浴衣とか着て、、はぁ、ええなぁ青春」
「あぁ、、浴衣か。」
ユキ「着ぃひんの?、、あ。持ってへん?」
ユキさんの言葉に頷く。
ユキ「ウチも持ってへんねんなぁ、、。Aちゃん、着て行きたいやんな?」
また、頷く。
ただ、夏祭りは3日後なんだ。
__purururururu purururururu
「ごめん、電話出る」
ユキ「あ、右手でね」
「うん」
言われた通りに、右手で鳴った電話に出た
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作者名:のんれもん | 作成日時:2021年2月24日 19時