＿人助けという名の身代わり ページ26
*
家の方向へと歩き、途中にある小さな公園のベンチに腰を下ろす。
鞄をひろげ、中から財布を出しため息をついた。
「出費が、、、」
神山くんは奢ると言ったが、そうされると後で何があるかわからない。
ミナコさんからお金はちゃんとしろと言われてるが故に財布の中に何とか残る小銭達を見て
いつも奢られてるミナコさんを羨ましく思った。
小銭を数えているとポケットに入れていた携帯が震えた。
画面を見れば濱田さんからの着信だった。
《もしもし》
濱《ぁあー！どこおる？》
《えっと、、駅から近い公園、かな？》
濱《友達と一緒？》
《ううん》
濱《そっか。、、いやぁ、良かった》
＿なにが？
濱田さんからの電話に戸惑いつつも嬉しい気持ちがあるもので。
濱《今から迎えに行くからさ、ローズっていうカフェの前で待っとってくれる？多分近いと思うから。》
《わかった》
濱《もし、迷子になったら電話してな》
意外にも物凄く近くにあった『Rose』。
看板の横、店内からは見えないであろう位置に立ち、濱田さんを待つ。
＿にしても、今日は色々とあったな。
することも無くざっと振り替えると何かあったようで無かったような、判断が難しい事が多すぎた。
ブー ブー
再び電話が震える頃には、私はこれからのやりくりを考えていた。
《はい》
＿《やっぱ、お前に会いたいって》
聞きなれない声に携帯を耳から離して画面を確認する。
＿ n、、誰？これ。
《あの、誰ですか？》
＿《わかった。俺が行くから》
《はい？》
＿どこに行くんですか？
意味不明のまま切れた電話。
少しして後ろのカフェのドアが開いた。
カランカランと鈴がなり何気なく反動で振り向くと
ムスッとした小瀧くんがいた。
小「ちょっと、来て」
「はい？」
小「人助けや」
＿知らんがな
とも言えず。引っ張られる腕にされるがままだった。
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作者名：のんれもん
| 作成日時：2020年8月29日 23時
