＿善し悪しの付かぬ役割 ページ3
*
ホームルームが終わり、始業式も終わり、
帰りになると美咲が私の机の前に来た。
美咲「やっぱり」
「本当だね」
美咲の言っていた通り、三大帝王が学級委員から書記までを占領した。
美咲「ねぇ、A。」
「ん？」
美咲「書記、大丈夫？」
運が悪いのか良いのか。
やりたかった図書委員が定員2名に対して3人いたせいか、決まらずにいた書記1名をジャンケンでその中から選ぶことに。
その結果、私は負けた。
「抗議してくる」
美咲「まじで？誰に」
「担任。絶対に、他にやりたい子いるでしょ？」
美咲「確かにね。三大帝王のファンは多いよ？やけど、あの3人の空気の中に割って入りたくないわ」
＿ 私だって同じよ
「私、バイトあるし。図書委員の方が楽なのも知ってる。それに、書記って2人もいる？」
美咲「いらん」
「でしょ？」
美咲「でもさ、文化祭とか、体育祭とか、必要なんじゃん？」
「美咲代わってよ」
美咲「えへー？！嫌だわ！」
「私、たー君の面倒見ないと」
美咲には私の事情を話してある。
だから代わってもらえると思った
でも
美咲「ウチさ、彼氏と同じ委員会になろって言ってたんだよね。やって、クラス別れちゃったからさ！」
向こうにも向こうの事情ってのもんがある。
「だよね。、、仕方ないか」
美咲「頑張れ」
帰ろうと鞄を肩に掛け席から離れると目の前に天使の笑顔が私に足止めをした。
イチ「小泉Aさん、よね？」
「あ、、うん。」
イチ「書記、ありがとう。望さ、シャイやからちょっと協力しずらいかもやけど、何かあったら私に言って？」
＿ 私に言って、、、
「ありがとう。、、よろしく」
イチ「うん」
振り向き立ち去る吉野さんの髪は、どこから吹かれたか分からない風に靡いていた。
＿ 緊張した、、
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作者名：のんれもん
| 作成日時：2020年8月29日 23時
