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_小さな体温と始まり ページ1

*




少しの隙間から朝日が私の顔を照らす。

避けるように寝返りを打てば小さい子どもが私と同じ布団の中で唸り声を上げる。




掌で顔を撫で下ろし、欠伸をしてそっと布団から体を出す。













春の朝は何かが始まるようで同じ空気をしている。

まだ、起きはしない頭と反対に体を動かし、ルーティンにもハンガーに掛けた制服に着替える。





携帯を制服のポケットに入れてリビングに向かった。









「帰ってたんだ」






お水を入れたグラスを片手に

冷めた目をする女性。

彼女は私の叔母のミナコさん。









ミナコ「あぁ。おはよう」







「たー君、昨日、お誕生日だったんだよ。」







ミナコ「知ってる。プレゼント代渡してたっしょ?」









たー君。ミナコさんの息子の拓哉(たくや)。

まだ2歳。いや、昨日3歳になった。









「ケーキと、おもちゃの車買った」





ミナコ「ん。あ!朝のよろしく。それから、今夜も帰れないから」









朝帰りが日課のミナコさん。

夜のお仕事に関しては何も聞かない。




でも、毎朝、私にも仕事がある。

ミナコさんの勤め先の掃除だ。

日給制だが、文句無しの金額。









「たー君、私の部屋で寝てるから。、、行ってきます」




ミナコ「はーい。」









薄い大きめの上着で制服を隠すように羽織り、自転車でお店まで行く。


酔っ払いが路上で寝る中を通過して学生は禁区の店の前に自転車を停める。









ー「お、Aちゃん。早いね」









そう迎えてくれるのはこの店の下っ端で、私と同じ作業をする濱田さん。









「おはようございます」





濱「おはよう。あー、そっか。今日から学校か」









濱田さんは私の上着からはみ出た制服を見る。


反対に私は濱田さんの乱れたシャツを見る。









「ボタン。かけ間違えてる。」






濱「え?」






「また、寝てないの?」









慌ててボタンをかけ直す濱田さん。









「仕事終わったら寝ないとダメだよ」









朝、濱田さんと話すのは嫌いじゃない。

むしろ、一日が始まったんだって思う。









それが当たり前の生活になってしまった。

_三大帝王とお隣→



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作者名:のんれもん | 作成日時:2020年8月29日 23時

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