21.たっくんの気持ち ページ23
その次の日、
うたプリの収録があり
スタジオへ入ると
たつはいつも通りに俺に接してきた。
が、
俺はあんなこと言われた後に
普通に接することなんてできなかった。
俺とたつの間にぎこちない空気が流れる。
(早く返事を返さなきゃいけないのは
わかっているけど
今俺の曖昧な気持ちを伝えたら、
たつを逆に苦しめることになる。
…どうしたらいいんだろ…)
気持ちはどんどん暗くなっていく。
幸い今回は、
翔の出番が少ないため収録に支障はなかった。
収録が終わると、
俺はすぐにスタジオを出た。
次の仕事があったから、
というのは多分自分の中の建前で
本心はあの空間から一刻も早く離れたかった。
あの空間に長くいたら、
余計に辛くなるだけだと思うから。
次のスタジオに行くために廊下を歩いていると
「しもーのさん。」
そう言って、誰かが肩を叩いてきた。
すぐに暗い表情から普段の表情に変え
振り返るとそこにはたっくんがいた。
「たっくん、どうしたの？」
「今日、やけに暗いなーと思って、
なんかあったの？」
「…とくにないよ？」
無理に自然な笑顔を作りそう答えた。
「そう？ならいいんだけど。」
「うん、じゃあ俺、次の仕事あるから。」
たっくんの横を通り過ぎようとした時
急に耳元に近づかれ低いトーンでこう囁いて、
足早に立ち去って行った。
「あ、もしたつのことで悩んでるなら、
意味ないよ？
俺もたつもお互いにお互いを好きだから、
あんたが入る隙ないよ？」
そう言われ立ち去られた後
俺は、立ち尽くしたっくんの背中を
見送ることしかできなかった。
状況が理解できなかった。
たつは、俺を騙し、たぶらかし、
そして俺の反応を見て楽しんでいただけだった…
そう考えると腹がたつが、
そうは見えなかった。
たつがそんなことをするはずがない。
そういうことが一番大嫌いなはずだ…
でも、たっくんが嘘をつくとも思えなかった。
俺は混乱した頭を抱え、次の仕事へ向かった。
その仕事も無事に終え家に帰ってから
俺は夜通し泣いた。
涙がとまらなかった。
この状況下になってみてやっと自分の好きが
本気の好きだったことに気づく。
…今気づいたって遅いのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雅 - 初コメです！たっつん大好きです！達×下はいいですね〜〜！更新楽しみにしてます！ (2017年1月25日 20時) (
レス) id: 35bb9a9344 (このIDを非表示/違反報告)
黒川真琴。(プロフ) - ツバキさん» おー！いいですね！わかりました！書いてて楽しそうです！少しふざけてしまうかもしれないですが大丈夫ですか？ (2016年12月30日 21時) (レス) id: 112fa9e092 (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ - リクいいですか？「梶さんと下野さんが仲良く話していて、それを見たたっつんが嫉妬する」というのをお願いします (2016年12月30日 11時) (レス) id: ee73c47551 (このIDを非表示/違反報告)
黒川真琴。(プロフ) - アリスさん» わかりました！遅くなると思いますがリク必ず答えます。 (2016年12月29日 20時) (レス) id: 112fa9e092 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 黒川真琴。さん» ひろたんの相談相手的な感じでお願いします！ (2016年12月29日 16時) (携帯から) (レス) id: 4064f43b90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒川真琴。 | 作成日時：2016年9月21日 18時
