へぇ……え!? ページ8
『あ……はい、惹宮彩灯です。よろしくお願いします』
「狼杜君、君がここまで案内してくれたんですね?ありがとうございました」
理事長が微笑みかけると、狼杜さんもつられてにかっと笑った。
「いーえー、どうせ理事長室にはいないだろうなーと思ったんで。じゃあ俺、戻りますね」
「はい、ご苦労様でした。あ、ちなみに惹宮君も一年生ですのでお二人とも仲良くして下さいね?」
はーい、と軽く返事をして狼杜さんは温室から出ていった。
「さて、惹宮君。妖城学園について少し説明をしましょうか」
理事長は手際良く二人分の紅茶の用意をすると、やわらかい笑みを浮かべて椅子をすすめた。
腰を掛けると、すっと目の前に紅茶が出される。
『あ……いただきます』
カップを口元に運ぶと、薔薇の香りが鼻をくすぐった。
『美味しい…ローズヒップティーですか、これ』
「おや、ご名答。この温室のものを使っているんですよ。お茶に詳しいのですか?」
『いえ、母がよく淹れてくれたので』
そう言うと、理事長の目が昔を懐かしむように細まった。
「麻耶さんですか…懐かしいですねぇ。彼女がこの学園にいた頃は、よくこの温室で一緒にお茶してたんですよ。」
『へぇ……え!?』
ということは、この人はいったい何歳なんだろう…
見た目は、四、五十代くらい。
麻耶…母が十五才の頃からいたということは二十五年だから、二十代前半くらいから理事長をやっていることになる。
『理事長って、二十代でなれるものなんですか?』
「さあ?もっと経験を積まないと無理なんじゃないですか?」
『そうですよね…じゃあ、あなたはいったい何歳なんですか?』
「ふふ…気になります?」
『はい、すごく』
即答すると、意味ありげに笑われた。
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叶(プロフ) - 途中までは同じ内容ですが、更に話を増やしていくので、もうひとつの方をよろしくお願いします! (2018年7月15日 19時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
叶(プロフ) - 過去最高76位、お気に入り登録20人ありがとうございます!今日見てびっくりしました…携帯壊れてなければ続けられたのに!ほんとに泣きそうです。評価も一気に増えて、嬉しい限りです。! (2018年7月15日 18時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
叶(プロフ) - この作品をお気に入り登録してくださった方々、もしよろしければ新しい方の作品もよろしくお願いいたします! (2018年7月14日 13時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
叶(プロフ) - 完全にデータがとんだので、IDも違います。他にもかなでさんという名前の作者さんがいらっしゃったので、名前も変えました。、 (2018年7月14日 13時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
叶(プロフ) - この作品の作者です!スマホがぶっ壊れてデータが全部消えて、作品を途中から続けることができなくなりました。なので、新しく書き直そうと思います。 (2018年7月14日 13時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:孤爪かなで | 作成日時:2018年3月14日 23時