獣耳の妖たちに好かれました。

いい人だけど、すごく照れ屋。 ページ6

『ここ、妖しかいないんですよね。すいません、大丈夫です。わかった上での転入ですから』


「あ、ならいいけど…え、待って、良くなくない？」


『いやあの、本当に大丈夫らしいです。理事長先生にも話はしてあるし、僕普通の人間とは違うらしくて…なので、転入は認められています』


とりあえず大丈夫だということを繰り返すと、彼は納得しきれていないみたいだったが頷き、大きな門を開けてくれた。



「なんか色々しつこく聞いちゃってごめんな。普通の人間がこの学校入ると危険だからさ、間違ってここ来たんなら帰さないと危ないなー、と思って。
あ、俺一年Jの狼杜淳平。よろしくなっ」



そういって明るく笑う狼杜さんは、とてもいい人そうだった。あの質問も、僕を心配してくれてのことらしい。



『心配してくれてありがとうございます。狼杜さんって、優しくていい人ですね』




転入そうそうほわほわした気持ちになり、自然と顔が綻んだ。




「えっいや、いい人だなんて……俺、急にほめられるとどうしていいかわかんねー！！」



狼杜さんは真っ赤になって固まり、かと思うとあわあわと無意味に手足をバタつかせた。



「わ、わり…俺、ほめられるとダメなんだよ。なんか、どう返せばいいのかわかんねーっつーか…。いや、取り敢えず理事長んとこまで案内するわ」



いい人だけど、すごく照れ屋。
それが僕の、狼杜さんの第一印象だった。

ええっと、あの…？→←君、人間だよね？

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