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序章 ページ2

「彩灯、ちょっと話があるんだけど」


食後、リビングでボーッとしていると、母親がい
つになく真剣な面持ちで話を切り出した。
この人がこういう顔をするときは大抵ろくなことにならないことを十五年間の経験上よくわかっている。


「彩灯も、もうすぐ十六才になるでしょう?十六才になると、彩灯の中の妖の血が目覚めることになっているの」


『……………………え?』


「あっ妖の血じゃないわ。正確には妖を惹き付ける血。惹宮家の名字の由来はそこにあるのよ。

妖を惹き付ける"妖惑"の能力が花開くとき、それは惹宮家の第一子が十六才になるのと同時。

つまりあなたは妖惑の能力を受け継いでいて、十六才になるのと同時にその力が目覚めるってことよ」



心底、意味がわからないと思った。
そもそもあやかしってなんだ。今まで何の関わりもなく、というか存在すら知らずに生きてきたのに、いきなり惹宮家のルーツとか語られても。



『ちょ…待って、本気で意味わかんないから。どーせあれでしょ、冗談よー、本気にしちゃった?みたいな…』


むしろそうであってほしいと願いながら母を見つめると、母はあっさりと首を横に振った。


「冗談でも嘘でもないわよ。彩惹には一週間後から、妖城学園に通ってもらいます。

妖しか通っていない学校だけど、この辺りに住み着いてる野蛮な妖より安全だから。

代々惹宮家で妖惑の能力を持つ人間は妖城学園に通うことになっているの。私の母校もそこよ」


『え、母さんも!?』


自分の顔を指さして得意気にウインクする母を思わず凝視してしまった。


「そうよぉ。学園を出てすぐに、妖に襲われてるところを父さんに助けてもらったの。ねー、あなた?」


「そうだね、なつかしいなぁ。あれはたぶん、一目惚れというやつだろうね」

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(プロフ) - 途中までは同じ内容ですが、更に話を増やしていくので、もうひとつの方をよろしくお願いします! (2018年7月15日 19時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 過去最高76位、お気に入り登録20人ありがとうございます!今日見てびっくりしました…携帯壊れてなければ続けられたのに!ほんとに泣きそうです。評価も一気に増えて、嬉しい限りです。! (2018年7月15日 18時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - この作品をお気に入り登録してくださった方々、もしよろしければ新しい方の作品もよろしくお願いいたします! (2018年7月14日 13時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 完全にデータがとんだので、IDも違います。他にもかなでさんという名前の作者さんがいらっしゃったので、名前も変えました。、 (2018年7月14日 13時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - この作品の作者です!スマホがぶっ壊れてデータが全部消えて、作品を途中から続けることができなくなりました。なので、新しく書き直そうと思います。 (2018年7月14日 13時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:孤爪かなで | 作成日時:2018年3月14日 23時

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