小 児 科 病 棟 の 女 の 子 。 6

念 願 の　[ 237 ] ページ10

* 真愛side *


目 が 覚めて 、 気が付いたら

周り が 薄暗くて あれから 朝 まで

寝ちゃったんだ ということに 気 が 付いた 。


　


そんなこと を 思っていると 、 病室 の 扉 が

開く音 が して 、 恐らく 看護師さん だろうな と

思いながらも 寝たふり を して 、 そっと

目 を 閉じる 。







奏 「 おはよう 」


　



と 思ったら 奏先生 。




先生は 真愛 が 寝たふり してても

見破れちゃうから 、 諦めて 返事 を する 。







「 … おはよ 」


奏 「 … ねぇ 、 真愛ちゃん は 外泊して

どこ に 行きたいの？ 」


「 ……… 水族館 」


　



いきなりの 質問 に 戸惑いながらも 、

どうせ 嘘 は ばれるし 、 正直なこと を 答える 。


　




奏 「 水族館 か〜 。

水族館 で 何 したいの？ 」


「 水族館で …… イルカのショー と …

ラッコさん 、 見たい 。 」


奏 「 そっか … 。 」


　




そういって 考え込む 先生 。


　


昨日 思わず 口走った 言葉 は 、

嘘 だったわけ じゃないけど 、

正直 今 の 自分 の 体 の 状態 だと

できないこと は 、 なんとなく わかってた 。







奏 「 外泊 、 する？ 」


「 え … ？ 」


　



はずなのに 。


　



奏 「 だって 、 行きたいんでしょ？ 」


「 でも … 」


奏 「 先生 だって 悩んだよ 。

でも 、 真愛ちゃん 、 頑張ってるし 、

たまには 許可 出してあげても いいかな って 」




　


嬉しい反面 、 次に 頭 に 浮かんだの は

お母さん の こと 。




だけど 、 そんなことも すべて

奏先生 には お見通し 。



　


奏 「 ただし 、 条件 が ある 。

一つ は 、 夜 に 病院 を 出て 、 その

次の日 の 夕方 に 病院 に 戻ってくること 。 」


「 夜に … ？ 」


奏 「 もう一つ は 、 先生 の お家 に 泊まること 」


「 えっ！？ 」


奏 「 しっ！ 朝 なんだから 大きい声 出さないの 」


　




驚いて 大声 を 出した 真愛 に 、

奏先生 が 真愛 の 口 に 手 を 当てた 。





我 に 返って 、 思わず 小声 で 謝る 。


　




奏 「 …… で？ どうするの？ 」


「 … もちろん 。 行く！ 」


奏 「 じゃ 、 決まりね 」




　



そう言われて 喜んでいると 。


　




奏 「 あっ 、 そうだ 、 それまでに

熱 出したら 外泊 なし だからね 」



　



… その 一言 で 、 外泊 が 終わるまで は

絶対に 熱 を 出さないと 誓った 。

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