小 児 科 病 棟 の 女 の 子 。 6

副 作 用　[ 258 ] ページ31

* 真愛side *



奏 「 じゃ 、 始めて 行くからね 」



「 … うん 」



奏 「 体調 悪くなったら すぐ 言ってね？

できるだけのことは 対処 するから 」





嫌いな 点滴の 針を 入れる 作業も 乗り越えて 、

治療が 始まった 。



治療が 始まる 瞬間 は 、 いつも すごく 緊張する 。





奏 「 ふふ 、 そんなに 緊張 しなくて いいよ 。

前回も 大丈夫 だったんだから 、 大丈夫 」





そういって 、 先生 が 頭を 撫でてくれた 。




この 治療の時 だけ は 、 先生は 忙しいはず なのに 、

10分くらいは 病室に 居て ずっと おしゃべり してくれる 。






奏 「 ねえ 真愛ちゃん 、 トランプ する？ 」



「 ここにも あるの？ 」



奏 「 うん 、 先生が 特別に 滅菌して 持ってきたから 、

一緒に やろうか？ 」



「 うん！ 」




気が付いたら 久しぶりの 治療 で 緊張 していたのも 忘れて 、

先生と 楽しく トランプゲーム を してた … けど 。





気が付いたら いつも いてくれるより 時間が たっていて 、

点滴の 終了を 知らせる アラーム が 鳴った 。






奏 「 … おっ 、 点滴 終わったね 。

… ごめんね 、 先生 回診 行かなくちゃ だから 、

いなくなるけど 体調 悪くなったら すぐ ナースコール してね？

すぐに 誰か 行くように するから 」



「 … うん 」



奏 「 じゃ 、 また 来るからね 」






この点滴は 、 点滴中に すぐに 副作用が 出ちゃう人も

いるみたい だけど 、 真愛 は すぐに 出ない分

あとで 重く出てしまいがち なんだと 奏先生 が 教えてくれた 。





―― だから 、 ここから が 本当の 闘いの 始まり 。





一人で いつ来るか わからない 副作用の恐怖 と 闘う瞬間 が 、

正直 吐き気や 熱に 襲われた時より も 怖いのは 、

きっと 当本人に しか わからない 苦しみ だと 思う 。






・






「 うっ …… おぇ … っ … 」





そうして 副作用が やってきたのは 、

治療の 点滴を 終えてから 1時間ほど 経ってから 。





思ったより 来なかったな … と思いつつ 、

最近は ほとんど 食べてないから 出るものも ない癖 に

収まらない 吐き気が 辛くて たまらない 。





ナースコールを 押そうとしたとき 、 ふと 苦手な看護師さん が

担当 だったのを 思い出して 、 思わず 押すのを 辞めた 。






… どうしよう 、 なんて 考えているうちに 、

また 吐き気 が 襲う 。

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