小 児 科 病 棟 の 女 の 子 。 5

小 さ な 女 の 子　[ 213 ] ページ32

* 奏side *



「 … 眠れる？ 」


雪 「 うん 、 だいじょうぶ 。

ゆきなね 、 もう 1年生 だから 。

ひとり で ねむれなくちゃ いけないんだ … 」





その 女の子 ・ 雪菜ちゃん は 、

そうは 言っているけれど 、

少し 強がっているようにも 見えた 。


　


「 ――― 遠慮 しなくて いいんだよ？ 」


　


ベッド の そば に 寄り添って

頭 を 撫でてあげると 、 抵抗 は しなくて 、

そのまま 眠ってしまった みたい 。





布団 を かけなおしてあげてから 、

病室 を 出た 。





　






この 女の子 の 担当 に なるのは 、

もう 少し 先 の お話 。



　



・




　




あれから 数日間 、 休み が あったり

別 の 患者さん の こと で バタバタ

していたこと も あって 、 気 が 付けば

担当 では なかった 真愛ちゃん の こと は

すっかり 頭 から 抜け落ちていた 。



　


たまたま 真愛ちゃん の 病室 で 会った

あの 看護師さん が そのこと を 覚えて いてくれて 、

偶然 会った時 に もうすぐ 退院すること が

決まったこと を 教えてくれた 。


　



看 「 真愛ちゃん 、 あれから

少しずつ 病院 に なれてくれた みたいで 。

だいぶ 昼間 も 夜間 も

泣いていること が 減ったんですよ 」


「 えっ 、 真愛ちゃん って 昼間 も

泣いてたん ですか？ 」


看 「 そうよー 。 お母さん が 忙しくて

面会時間 にも なかなか 来れない みたいでね？

だから ずっと 泣きっぱなし 。 特 に 白衣 を

着ている人 には 警戒 するみたい 苦笑 。 」






それからも なかなか 会えず まま 、

気 が 付けば 退院 に なってしまった けれど

あんな に 辛そう だった 真愛ちゃん が

治ってくれて よかった と 心底 思った 。



　



一度だけ 雪菜ちゃん と 一緒 に いるところ で

笑顔 を 見せていた 真愛ちゃん を

プレイルーム で 見かけたこと が あった 。

　


その時 の 笑顔 は 、 普通 の 子どもたち と

変わらないはず なのに 、 どこか

一段 と 輝いている気 も して 。



　

だから 、 この 笑顔 が 退院 したら

戻ってくれるんだろうな って 思うと 、

どこか 物寂しさ も なくなった 。

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