小 児 科 病 棟 の 女 の 子 。

怖い検査 [10] ページ10

*真愛side*

奏「おはよう。」


「…おはよう…ございます……」


奏「別に敬語じゃなくてもいいのに。まぁ、おはようっていうかお昼過ぎくらいなんだけどね。

様子見にきたんだけど調子どう？熱下がったかな？」


「…下がった」


奏「でも一応測らせてくれないかな〜」


…やだ！

だって測られたら絶対また点滴だもん。


そんな顔してたら、


奏「大丈夫。とりあえず測るだけ。しばらく検査するまで点滴はしないから」


「ほんと…？」


奏「ほんと。じゃ、体温計、入れてもいい？」


「うん…」


なんか、心の中見られちゃったみたいでちょっと恥ずかしかった。

全部おみとおし、なのかな…？


pipipipi…

奏「あっ、寝たからかだいぶ下がったね。検査そろそろできそうかな〜」


検査…？

また痛いことするの…？ もうやだ！おうち帰りたい！


奏「あれ、まだ何も言ってないのに、そんな泣かなくても…」


気が付いたらまた泣いちゃってたけど、奏先生がなだめてくれた。


・


奏「どうしてそんなに泣いちゃうのかな〜？」


「ぐすんっ…」


奏「…怒らないから言ってみて？」


「ひっく…ふぇえん…ぐすん…」


言いたいけどどうしても涙が止まらなくてちょっと嗚咽も出ちゃってうまくしゃべれない…

このまま言えなかったら怒られちゃう……！


でもそう思えば思うほど涙が止まらなくなっちゃって…


奏「泣いてちゃわからないからね〜？大丈夫大丈夫〜」


だけど奏先生は怒らなくて、思ってたよりすっごく優しい先生で、

ずっとベッドの隣に座ってなでなでしてくれた。


こんなに私のそばに長い時間いてくれたのがうれしくて、

なかなか涙が止まらなかった。


・


奏「真愛ちゃんのにこにこしたお顔も、先生みたいな〜？」


そんなことを言われながら背中をとんとんされたり、

少し先生とお話していたら、なんかちょっと落ち着いてきたみたい。


奏「お話、できそう…？」


待たせちゃってごめんなさい、って意味も含んで、うん、とうなずいてみた。

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