禪院家に売られました

#48 ページ48

伏黒 side









自分でも過保護すぎるって思うことは何度でもある







でも今回ばかりは死ぬかもしれなかった姉の姿を見て、冷静にいられなかった。








あの時から、


俺らはずっと喋っていない。








話しかけようとしてもAがあからさまに避けている







あっちが逃げたら追いつけないのは嫌でもわかっていた。









だから謝ることも出来ずに、今こうして任務に向かい、最悪な状況になっている。









虎杖「伏黒！！しっかりしろ！！
まずは安否確認だろ！！」





伏黒「...大丈夫だ

悪ィ 少し外す」









津美紀が寝たきりになった原因の呪い






それが、また津美紀を襲うかもしれない。



そんな状況に焦りが募る。









震える手で伊地知さんに電話をかけた









状況を説明し、伊地知さんは「大丈夫」だと言った。






運良く津美紀のところには呪術師が居ると、それも二級以上の。









伏黒「.......それ、ちなみに誰ですか」





伊地知「え？！い、いやぁ....ハハ.....」





伏黒「教えてください」





伊地知「..........後で怒らないでくださいね」





伏黒「(理由による)」





伊地知「Aさんが.....、津美紀さんの病室を教えてくれと、つい2時間ほど前に」





伏黒「やっぱり...」









なんとなく、そうだと思っていた。









Aと津美紀を会わせて良いものなのか、ずっと考えていた。









津美紀にとっては良い、アイツを守ってくれる人の数も増える。








Aにとっては？







Aにとって津美紀がどんな存在かわからない。









普通に考えたら、嫌だろ。









俺は、禪院先輩と喧嘩するときにいっつも先輩が語るのは幼少期のAのこと。








禪院先輩が本当の姉妹みたいに育てられた、と煽るように話すときが1番腹が立つ。







本当の弟は俺だけなのに、







そう思ってしまう自分がいた。









伊地知「あの....教えといて何ですがAさんからは口止めされているので、これは内緒で...」





伏黒「そうですか...」





伊地知「伏黒くんだけには言うなと念押しされましたので...」









姉は





どんな思いで津美紀と一緒にいるんだろう

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