推しは守り助けるもの 漆【鬼滅の刃】

参佰肆の型 ページ4

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伊黒side




Aが死んだ



鬼舞辻無惨と、相討ちになって。






きっと鬼舞辻に同情でもしたんだろう





阿呆らしい





出会った時から思ったんだ




何だこの馬鹿みたいな女はと。









第一印象は最悪だったが、それからの印象はうなぎ登りだった



あいつは剣術の才があった


類まれなる才だ





お前は鬼舞辻を倒す為に生まれたのではないかと思う程だ




素晴らしいのは剣術だけで無い


人間性も素晴らしかった




俺が何を言ってもニコニコ笑う


周りをよく見て行動している


誰に対しても優しく、謙虚でいる


だが間違っていることはおかしいと、己の意見を言う





一部の隊員は聖母だとも言っていたな…


まぁわからなくもない




「…??」




ふと違和感を感じ、口元を触った



「！！！！！！！！」




己の綺麗になった口元だった




傷一つ無く、普通の人間の口















恋しくなった



Aが、どうしようもなく恋しい



礼も言えてない





つーっと涙が頬を伝う




昨晩お前は俺の屋敷に来たな



鬼舞辻を倒して死のうとした俺をお前は止めた




"汚い血族の人間じゃない"



"小芭内は小芭内だよ"



と言って。







そこで俺は決意した











本来ならば来世で伝えようとした想いを

















今世で伝えようと。




だが何故だ…


何故死んだんだ！！






優しいにも程があるだろうと叱りつけたいくらいだ



まだ、まだ俺は、想いを伝えきれていないのに




鬼殺隊に囲まれるようにAの隊服と刀は落ちている





キラリと朝日に照らされて何かが光った






Aが懐に入れていた何かが。






「〜ｯ」






俺が以前、買い与えた簪だった

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