推しは守り助けるもの 漆【鬼滅の刃】

肆佰拾捌の型 ページ18

．







有一郎side





感謝してもしきれない

Aの為なら死ぬ事だって容易い





「何勝手に死んでんだよ…クソｯ…」





何回も拒絶した


何回も罵詈雑言を浴びせた


何回も傷つけた


水もかけたりした


無愛想にしても



それでもAは



笑って助けてくれた








Aが死んでからは10日間の忌服期間が与えられた





今はまだ1日目





任務が無くて嬉しい筈なのに






地獄の様な1日だ








鬼舞辻との戦闘の前、呼ばれた





"『有一郎くん、お願いがあるの』"




真剣な面持ちのAだった



けどどこか、とても悲しそうだった




内容は 産屋敷爆破 について






どうにかするから必ず屋敷の近くで待機してとの事だった





その後はお館様達を隠れ家に連れて行って欲しいとも言われた







結果はAの思う通りに進んだ








だが

俺たちにとっては、最悪の結果だった











Aが死んだのだから。





Aは命の恩人だ





救世主でもあるし、師範でもある



これ程に素晴らしい人は居ない







Aの死後、服やら刀やらが運ばれてきた






懐には色々小物が入っていたようだ





1つは伊黒さんから貰った簪





これを持っているのは俺も知っていたし、いつも持ち歩いていた





そして2つ目







俺と無一郎が数年前にあげた手紙だった







初めてAにあげたものだ






「〜ッ…A…ッ」





数年前にあげたものをずっと持っていたのか







「ほんと…何日経っても立ち直れねぇよ…」

肆佰拾仇の型→←肆佰拾漆の型

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す