推しは守り助けるもの 漆【鬼滅の刃】

肆佰拾陸の型 ページ16

．









冨岡義勇side





「カァー！！鬼月 A！鬼舞辻無惨ト戦闘ノ末、相打チ トナリ死亡！！！！



死傷者ハ無シ！！！！！！」









"Aが死亡"





Aの灰はふわふわと散ってゆく



傷も疲労も、全て元通り





やめてくれ




お願いだ、やめてくれ





鬼舞辻、もうやめてくれ






蔦子姉さんも、Aも






俺から幸せを奪うのはもう、やめてくれ





「フゥゥ…
















ｯｯｯ！！！！」



己の刀を腹に刺した




怪我をすればまた、Aが治してくれるかもしれない



Aがやって来て、心配して、抱きしめてくれるかもしれない




「ｳﾞｯ…」





腹から大量に出血するのがわかる




痛みが麻痺してきた



意識が遠のく






隠「冨岡様！！！！」




腹を切った俺に気づいた隠から揺さぶられるも、返す気力は残ってない





A、俺もそっちへいく





＿＿







目が覚めるとそこは、綺麗な綺麗な花畑




辺りを見渡すと、居た




俺の1番会いたい人間が




「A！！！！！！！！」




走って近寄る




くるりとこちらを向くAはいつも通りの美しさを持っていた




驚く顔を見せるA




「A、俺も死んだ。一緒に天国へ行こう」





だが、




しばらくAは黙り込んだ後




『…義勇』




「どうした？」




困った様に、悲しそうに微笑んだ




『ごめんね』






「ｯ!!」




あまりにも悲しそうに言うAに思わず息が詰まる






何に謝っているのだ？

相打ち？俺が死んだことか？






何だ？？？






その途端辺りは急に暗くなった


暗いなんてもんじゃない、闇で包まれているような暗さだ









ドンッ







何者かに押された






無惨「お前の出る幕は終わった

Aは私と行く」






「なっ、鬼舞辻…！？！！？」





尻もちをつこうとした地面は無く、



ただただ下へ落ちていく






「！？！？！？




Aッ！！！」





落ちていく



暗闇の奥へと



最後にふっと見えた、聞こえた





Aの優しい微笑みと



『生きて』



という声が。




A、すまない





また無駄にしようとした





お前が繋いでくれた命を。






＿＿




隠「オイ！！意識が戻ったぞ！」




「…A…」



隠「冨岡様！！！聞こえますか？！冨岡様！！！」

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