弐佰仇拾漆の型 ページ47
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前の前の日────────
『小芭内、居る?』
「急に来るな。」
『ふふ、ごめん。ちょっと言いたいことがあって。』
「取り敢えず中に入れ。」
『ありがとう。』
花が咲くようにAが笑う。
思わず見とれてしまいそうになる。
居間に通し、お互い向き合って座る。
「言いたいこととはなんだ。」
『……小芭内は、死なないでね。』
「……。」
俺は無惨を倒して死ぬ。
そう思ってるのが見透かされてる様で冷や汗がにじみ出る。
『私、十二歳からしか記憶が無いんだ。』
初耳だった。
確か時透も記憶喪失だったな…。
もう記憶は戻ったらしいが。
「……そうか。」
『うん、私、小芭内の過去、知ってるよ。』
「!!!」
どういうことだ?何故Aが知ってる?
“過去“と言っても様々だ。どこからだ、どこから知っている?
もしも幼少期の頃から知ってるのならば…?
お館様か?いや違う、あの方はそんなことを言う人じゃない。
告げ口した人間などこの際どうでもいい。
Aが俺を軽蔑し、嫌われたらどうしよう。離れて行ったらどうしよう。
不安の気持ちで胸がいっぱいになった。
「……貶しに来たのか?俺と関わることを後悔して。謝罪しろと言うのか?
お前は──
『違う。私は小芭内と話せて、お出かけもできて本当に嬉しいよ。』
いつもよりも幾分か優しい声色で、瞳でこちらを見ながらAが言う。
「……。」
その綺麗な瞳には、嘘という文字が浮かばなかった。
そうだ、何故わからなかった?
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柚雪 - 更新再開嬉しいです!この続きもとっても楽しみにしています! (2022年4月24日 18時) (レス) @page50 id: f86fb67e0e (このIDを非表示/違反報告)
ミル - やっと全部読めたッッッッ!!!!!一昨日からこのわんわん様の小説を読み始めて、ようやく最新話まで来ました!!!!!更新楽しみにしてます!!もう、クライマックスが気になりすぎてずっと占ツク開いたままですッッッッ!!!!!いつでも読める状態で待っています!!!! (2022年4月24日 14時) (レス) @page50 id: 7ef6e5e60c (このIDを非表示/違反報告)
M - この小説好きすぎて毎日更新されてないか確認してしまいます笑、続き待ってます! (2022年4月22日 19時) (レス) id: b20e1a5f1c (このIDを非表示/違反報告)
shion - 更新再開…!!読む前から泣きそうです…!ありがとうございます!! (2022年4月11日 12時) (レス) id: ef8ce72532 (このIDを非表示/違反報告)
ももち - あっ!更新されてる!!(泣)←嬉し泣きです (2022年4月10日 23時) (レス) id: d08da4c0ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わんわん | 作成日時:2020年8月12日 15時