弐佰拾肆の型 ページ14
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『勿論それをしたことでお館様の病が治るかは分かりません…
私の血はあくまでも鬼を人間に戻す血なので…。』
いつものように綺麗な笑みを浮かべたままこちらを見つめてくるお館様。
え?何?(照)
お「有難いことに、私の病が治れば子供たちは喜んでくれるだろう。
だけどね、A。
Aの血は本当に稀だ。
きっと君以外にはもう居ないだろう。
…そんな血を私の為に使うなんてもったいない。
ただでさえ、Aが来てたら病の進行が驚く程遅くなっているんだ。
だからその気持ちだけで十分だよ。ありがとう。」
よしよしと頭を撫でられる。
お館様がそう言うなら…
『じゃあたくさんの飲まなくていいので少し飲んでください…器一杯程度でいいので…』
ふふふ、私がそう簡単に折れると思ったら大間違いだ…!!!!
お「……。」
『……。』
お「…ふふ、折れる気がないようだね。
わかった、少しだけ頂こう。」
『ありがとうございます…!』
器を用意してもらい、腕を切る。
お「痛くないかい?大丈夫?」
あわあわしてる…
『ふふ、大丈夫です。(可愛い…)』
お「……これが稀血なんだね…普通の血となんら変わりない。」
『美味しくないでしょうけど、飲んでください。』
お「うん、いただくね。」
ゆっくり、ゆっくり飲み干していく。
『(不味そう…。)』
お「……っありがとう。全て飲み干せたよ。」
『お疲れ様です…
何か少しでも体調が良くなれば嬉しいです。』
お「鬼はこれが美味しいと感じるんだね…私には鉄の味しかしないよ。」
不思議そうにお館様が言う。
お館様が鬼になったらお館様に食べられたいなあなんて思っちゃったりしちゃったりして…
まぁ意地でもさせないんだけどね。
『ふふ、私たちは人間ですからね。
では私はこれで。失礼します。
夜遅くにすみませんでした。』
お「A。」
『はい…?』
お「あまり根詰めないこと。いいね?」
『……お気遣いありがとうございます。』
会釈をして襖を閉じる。
『……ふぅ……。』
今のお館様の目…本当に真剣だったな…。
少しゾワッとした…。
お館様なりに心配してくれてるんだろう。
有難く思っとこ…。
にしてもまだ眠くないなあ。
グゥゥゥ
『お腹空いた…。』
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わんわん(プロフ) - 8828(名前に意味はないです)さん» うっわあ本当にすみません、ありがとうございます^^;めっちゃごちゃごちゃで覚えてしまってましたね...申し訳ないです。ご指摘ありがとうございます、活用させていただきます( .. ) (2020年8月18日 22時) (レス) id: c01d3dab23 (このIDを非表示/違反報告)
8828(名前に意味はないです) - ちょっと修正。下弦の名前です!ファンブックに載ってましたが、参考になれば幸いです。壱…魘夢(えんむ) 弐…轆轤(ろくろ) 参…病葉(わくらば) 肆…零余子(むかご) 伍…累(るい) 陸…釜鵺(かまぬえ) らしいです! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 8b5b5f36c4 (このIDを非表示/違反報告)
わんわん(プロフ) - きあさん» ひぇぇええありがとうございますうう!!もうめっちゃ嬉しいです、感謝感激...!涙がっ...続編でもよろしくお願いします(*^^*) (2020年8月12日 15時) (レス) id: c01d3dab23 (このIDを非表示/違反報告)
わんわん(プロフ) - カルナさん» コメント返すの遅くなってすみません!!続編出ました...!いつもコメントありがとうございます!励みになってます!伏線結構あるのでぜひぜひ探してください☆ (2020年8月12日 15時) (レス) id: c01d3dab23 (このIDを非表示/違反報告)
きあ - ええええ!続編おめでとうございますうう!!!!この作品大好きです!毎日楽しみにしてますっ体には気をつけてがんばってください!! (2020年8月6日 23時) (レス) id: f7544522dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わんわん | 作成日時:2020年5月18日 23時