歌う帽子 ページ12
．
椅子の上に置かれたとんがり帽子をじっと見つめる
少しざわついていた広間が水を打ったように静まった
途端に帽子がピクピク動き出す
帽子のへりにあった破れ目がまるで口のように開き、その帽子は歌い出した
私はきれいじゃないけれど
人は見掛けによらぬもの
私をしのぐ賢い帽子
あるなら私は身を引こう
山高帽子は真っ黒だ
シルクハットはすらりと高い
私はホグワーツの組分け帽子
私は彼らの上を行く
きみの頭に隠れたものを
組分け帽子はお見通し
被ればきみに教えよう
きみが行くべき寮の名を
グリフィンドールに行くならば
勇気ある者が住う寮
勇猛果敢な騎士道で
他とは違うグリフィンドール
ハッフルパフに行くならば
きみは正しく忠実で
忍耐強く真実で
苦労を苦労として厭わない
古き賢きレイブンクロー
きみに意欲があるならば
機知と学びの友人を
ここで必ず得るだろう
スリザリンであれば
きみはまことの友を得る
どんな手段を使っても
目的遂げる巧みさで
被ってごらん! 恐れずに!
興奮せずに、お任せを!
きみを私の手に委ね
この私は考える帽子!
そう歌い終わると広間にいた全員が拍手をした
「す、ごい…」
Aは話には聞いていたが実際に見るのではやはり違う、感動で震えていた
帽子が喋るなんて
ああ、私が入る…いや入れる寮があるのか……
Aはすでに不安で押しつぶされそうになっていた
「名前を呼ばれたら帽子をかぶって椅子に座り
組み分けを受けてください」
とうとう寮の組み分けが始まった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 216人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おらぶ | 作成日時：2021年9月26日 7時
