鉄槌【リドル】 ページ33
轟音が鳴り響いた
目も開けられないほどの突風が吹き荒れる
何も見えないと自分が何処にいるのかでさえ分からなくなり、いよいよ死に近づいていることを自覚した
しかし、伝わったのは硬い地面の感触ではなく
少し硬いが人の腕の、優しく包み込まれる感触だった
「……」
「り、リドル先輩…っ」
リドル先輩に横抱きにされていた
助けてくれた、私を
しかし相変わらずの軽蔑するような瞳で私を見下ろしていて、体が強ばる
強烈な浮遊感で上がった心拍数は落ち着かない
今までの彼の行いで張り付いた恐怖などどこかへ忘れてしまったかのように色々考え出した
やっぱり彼は私に愛想をつかしていなかったの？
もう自分の気持ちがぐちゃぐちゃだ
彼からの乱暴から解放されて嬉しかったはずなのに、いざ拒絶されると彼が欲しくなる
どうしてこんな極端な愛され方しかしないのだろう
「今の、豪風は……ローズハート先輩がやったのか……！？」
「すごい……一瞬であんなに巨大な魔法を展開させるなんて……」
「流石はハーツラビュル寮長……」
ひそひそ話が耳に入ってくる
よく辺りを見ると色んな人がリドル先輩を賞賛していた
あの風も、リドル先輩が出して助けてくれたの…？
「皆、人命救助の為とはいえすまなかったね。怪我人はいないかい？僕はこの子を保健室まで送り届けてくるから、後は頼んだよ」
「「「はい、寮長！」」」
私を横抱きにしたまま歩き出したが、止まる
「それでは、また」
「またね、私の愛しいリドル」
そう女性に残してまた歩き始めた
嫌な感情がまた私を取り巻く
ーーーーーーーーーーーー
「怪我はないみたいだね」
「……はい」
ベッドに座らせてくれた彼は跪き私の足や腕を見てくれていた
太腿を、首をなぞる黒い指先がもどかしくなぞってくる
触れられる度に何をされたのかが鮮明に蘇り、恐怖が襲ってくるがあまりの優しい手つきの彼に本当にこの人はあのリドル先輩なのか疑った
私を縛り、支配するあのリドル先輩なのか
「なら問題ないね、少し休むといい。では僕は失礼するよ」
立ち上がり、あまりにも呆気なくこの場を去ろうとする
極端に優しかったり、酷かったり
彼のことが全く分からない
「……先輩」
ぴたり、とリドル先輩の足が止まる
怖くて彼の顔は見られなかった
引き止めてどうするのだ。また、あの日々に帰りたい訳では無いというのに
自分のことでさえもよく分からなくて、悔しくて涙が頬を伝った
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ローズの薔薇 - リドルクン｡私アリスなの？アリスだったら良いのになぁ(幼い頃の自分の夢だったらしい)もし私をアリスにしてくれるかな？リドルクン。(ハートの女王) (2022年4月24日 15時) (
レス) @page34 id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
太宰、乱歩などの頭脳派推し - けーくんエッッッッロッ！色気ハンパないです。最推し何です。けーくんのRお願いします。 (2022年3月5日 19時) (レス) @page48 id: 6e38a4139d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖 - え……？？絵がうますぎません？？？？物語も神ですし……有難うございますぅぅぅぅぅ (2021年9月11日 14時) (レス) id: 0301fd6d5d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - ちょくちょくはさんでくるヤンデレ系がまた…最高ですね (2021年8月5日 19時) (レス) id: e0681dd9d0 (このIDを非表示/違反報告)
riona - 物語も良き…絵も良き……ここは天国ですか？？ (2021年8月1日 17時) (レス) id: 235e0c7d90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーダ | 作者ホームページ：
作成日時：2020年5月6日 2時
