ふとした事の幸せ【アズール】 ページ13
「これです！ありがとうございます！」
「いえいえ、僕も去年この本を使いましたからね」
完璧だ。完璧すぎる
彼女と僕は告白し、1ヶ月ほど前無事結ばれた世に言うお付き合いの関係である
勿論告白は僕から
時間から場所まで完璧なプランをたて、それらを実行したのがきいたのか
やはり努力は裏切らない
昼休みの最中、名を呼ばれ用事に付き合って欲しいと頼まれ二つ返事で承諾した
用事とはどうやら課題の資料集めだったようで
こうして勉強関係の事になると彼女は真っ先に僕を頼ってきてくれる
得意なことがこんな所で役に立つのが嬉しかった
予定外の出来事だったが臨機応変に対応出来た事に達成感を噛み締めた
ふとAさんが手を引いてくる
手を繋がれた。と分かると顔が瞬間的に熱くなった
頬を赤らめ、次こっちです。と歩みを進め着いた先は魔法薬学の本棚
「本当にすみません頼りっぱなしで……」
「いえ、この時期の単元だと……こちらなどいかがてしょう」
わあ！と目を輝かせる彼女にまた達成感が胸をふくらませる
ありがとうございますと言ってくれるのも心地が良かった
「あ、こっちも借りようかな……あ……よっ……」
Aさんがひとつの本に手を伸ばした
その本は指先から10cmほど上にあり、これは彼女なら届かないだろうと思った
＿＿＿そう、彼女なら
「どうぞ、こちらですか？」
「アズール先輩…！」
目を輝かせるを超えて、もはや泣きそうになっていた
本で口元を隠し、はにかんだように笑う彼女もまた可愛くて
「アズール先輩本当に大好きです……」
その一言が、人生で1番嬉しかった
頼ってくれた上に、好きと言われてしまって喜ばない男など居ないだろう
ましてや、心を奪われている相手なら
「あぁもう……ずるい方ですね」
僕もですよ。と一言かけると遂に彼女の大きな瞳から一筋の涙が零れた
こんな事で泣いてくれるのなどAさんくらいだろう。感性が豊かな証拠だ
引き寄せ、そっと胸に包み込む
本を持っていない片手が背中に回され、彼女の細くて小さな手が当たる感覚が分かる
想いに答えてくれることはこんなに嬉しいことなのか
他のことなど何も頭に入らず、ただその幸せに浸っていた。ああ今日はなんていい日なんだろう
……たった一つ、ウツボの兄弟がこの状況を見ていたことを除いて
ーーーーーーーーーーー
ゆのさんリクエストありがとうございました！
Bite marks【ラギー】※→←美しいものには【ルーク】
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ローズの薔薇 - リドルクン｡私アリスなの？アリスだったら良いのになぁ(幼い頃の自分の夢だったらしい)もし私をアリスにしてくれるかな？リドルクン。(ハートの女王) (2022年4月24日 15時) (
レス) @page34 id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
太宰、乱歩などの頭脳派推し - けーくんエッッッッロッ！色気ハンパないです。最推し何です。けーくんのRお願いします。 (2022年3月5日 19時) (レス) @page48 id: 6e38a4139d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖 - え……？？絵がうますぎません？？？？物語も神ですし……有難うございますぅぅぅぅぅ (2021年9月11日 14時) (レス) id: 0301fd6d5d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - ちょくちょくはさんでくるヤンデレ系がまた…最高ですね (2021年8月5日 19時) (レス) id: e0681dd9d0 (このIDを非表示/違反報告)
riona - 物語も良き…絵も良き……ここは天国ですか？？ (2021年8月1日 17時) (レス) id: 235e0c7d90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーダ | 作者ホームページ：
作成日時：2020年5月6日 2時
