クンツァイト

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携帯を無事に回収して駅にまた向かおうとした時


道路を挟んで反対側にある事務所専用のコインパーキングには2つの影


暗くて雨も降っていて視界は悪いけど





私が見間違えるわけがない、だってそこには



駒井さんと剛典くんの姿が。





剛典くんが傘を持って車の補助席を開けて
駒井さんを乗せてあげているのが見える


駒井さんも嬉しそうに、当たり前のように

私がどきどきして座ってた補助席に腰を下ろし




2人を乗せた車は私の事を照らすことなく、どこか消えてしまって見えなくなった






.........どういうこと？


なんて思いたかったけど、私は彼女では無いんだ、

ただの "マネージャー"







それでも


今見たことは嘘だって、私は夢を見ているんだって思いたかったけど



ぽつりぽつりとアスファルトを湿らせる雫はとても冷たくて

私の心を表してるみたいで何だか笑えてきた








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