８０話 ページ32
それからドス君と世間話したり、夜景を眺めたりしたら、ゴンドラが地上に降りるまであっという間だった。
楽しい時間はあっという間というけれど、本当にその通りだなと思った。
閉園のアナウンスが響く。夜空に瞬く星々の煌めきが、寂しく感じた。
｢今日は連れて来てくれてありがとう、ドス君！｣
｢どういたしまして｣
ドス君と遊園地なんてどうなる事かと思ったけど、凄く楽しかった。ドス君と一緒なら何処にいても楽しいけど、偶にはこういうのもいいな。また行きたい。
しかしこの時間ももうすぐ終わる。
その事が寂しくて、もう少しここに居たいなと思ってしまう。
気が付いたら、彼の裾をそっと摘んでいた。
｢Aさん？｣
きょとんとした顔でドス君が名前を呼ぶ。
私もどうしてこんな事したのか分からなくて、オロオロと視線を彷徨わせる。
そんな私に、ふと優しく微笑んで、その冷たい大きな手で私の手を包み込んだ。
｢Aさん、今日は楽しかったですか？｣
｢……？うん｣
｢ぼくも楽しかったです｣
突然の問いに戸惑いつつ返事をするが、意図がよく分からない。
ドス君なら私の気持ちや感情など見抜いていそうなものなのに、態々確認するなんて。
｢だから、また一緒に行きましょう｣
ゆっくり微笑んでそう告げるドス君。
その言葉に私の心はすっと軽くなって、自然と笑みが零れた。
｢うん！約束ね！｣
"また今度"がある。その事実が嬉しい。
しかしその言葉の意味を確りと理解していない私は、ドス君が目を細めて私を見ていた事に気付く事は出来なかった。
｢Aさん｣
｢ん？｣
｢──いえ、何でもありません｣
誤魔化すように笑うドス君が、何だか妙に思えた。
私は確かに違和感を覚えたけど、それを口に出すことは無かった。
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食塩水(プロフ) - 名前さん» 長い間待っていて下さりありがとうございます！優しいお言葉、身に染みます…これからも不定期更新ではありますが、あんなにお待たせしないように書き進めていきたいと思います！ (2020年6月14日 22時) (
レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - まやさん» 長い間待っていて下さりありがとうございます！これからはあんなにお待たせする事がないように書き進めていきたいと思います…！ (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - あやめさん» 更新お待たせ致しました…！2ページ"も"と捉えて頂けてありがたいです！自己満足な作品ではありますが少しでも楽しんで頂けるよう、もっと更新出来るように頑張りますね！ (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
名前 - 更新されてる……ありがとうこざいまああす！これからも作者さんのペースで頑張ってください！楽しみに待ってます！！ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 6e285a92e8 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 更新ありがとうございます！！これからも更新待ってます！頑張ってください！！！！ (2020年6月14日 15時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
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